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ジャガーの新世代「タイプ00」はむしろ伝統的だ 超絶モダンな中に見えるブリティッシュネス

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 11時0分

闇雲にスピードを求めるようなクルマづくりは、カーボンニュートラルが叫ばれる現代社会にはそぐわないからだ。しかも、ジャガーはEV専業になることを宣言しており、車名の「00」はゼロエミッションと新生ジャガーのゼロ号車であることを表している。

ニュースリリースには、ジャガーの新たなクリエイティブな哲学として、「Exuberant Modernism(活気あふれるモダニズム)」という言葉も掲げられている。今の基準でのモダニズムを形にした、ということなのだと思う。

サイバートラックと同類なのか?

タイプ00を見て、テスラの「サイバートラック」を思い出した人もいるかもしれない。

筆者も実車を見たことがあるが、シンプルな線と面で大胆に描いていることは似ている。個人的にはモダンだと思っているし、あちこちで話題になっていることを考えれば、「活気あふれる」にも当てはまりそうだ。

ただし、タイプ00とサイバートラックで大きく違う点がある。サイドから見たときのプロポーションだ。

真横から見たサイバートラックは、既存のピックアップの3ボックススタイルとはまるで違うトライアングルシルエットなのに対し、タイプ00のロングノーズ・ファストバックというフォルムは、むしろトラディショナルだ。

さらに真上から見た写真では、前後のフェンダーが豊かに張り出し、リアは絞り込まれるなど、有機的な造形も盛り込まれていることがわかる。

ジャガーは、長いボンネット、流れるようなルーフライン、23インチのアロイホイール、ファストバックのプロファイル、ボートテールなどが、「EVの常識を覆す先見性のあるデザインである」という。

トラディショナルなプロポーションとシームレスな表面処理の融合が、新しいということなのかもしれない。

現行の市販車でも、これに近いスタイリングの車種はある。ロールス・ロイス「レイス」、ベントレー「コンチネンタルGT」などだ。さらに言えば、ジャガーのルーツにも、近いフォルムの車種はある。

1930年代「SS1/SS2」のプロポーション

ウィリアム・ライオンズ卿は、「スワロー」というモーターサイクルのサイドカーを製作するブランドでキャリアをスタートさせ、まもなくクルマのボディ架装(コーチビルダー)も行うようになると、1930年代にスタンダードというメーカーと提携し、「SS1/SS2」という車種を送り出した。

ベースのスタンダードと比べると、ノーズは長く、キャビンは低くなっているうえに、エアラインクーペというボディでは、ファストバックに近いスタイリングとなっている。

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