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転居後も「借り続けたゴミ屋敷」驚く"部屋の中身" なぜ"空家賃"を負担してまで手放さないのか?

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 11時0分

だからこそ趣味はあるに越したことはないが、とはいえ多ければいいというわけではない。趣味の数が増えれば、必然的にモノの量は増えてしまう。ましてや、買い物がストレス発散になっている場合、モノを捨てないことにはまずゴミ屋敷になってしまうだろう。

1年以上も“空家賃”を払い続けていたワケ

部屋が散らかり始めたのは、コロナ禍が始まる少し前のことだった。近所の住人とトラブルになり、男性自身も精神的に病んでしまった時期があった。そんなときコロナ禍が始まり、勤めていた会社から在宅勤務を命じられた。

「ちょうどそのときにクーラーが壊れ、業者にも“直せない”と言われてしまい、しばらくはホテル暮らしをしていたんですけど、その間にこの部屋の存在にはあまり意識が向かなくなったというか。この部屋に住みたくなくなって、近所に新しい部屋を借りて引っ越しました。必要なものだけ持っていこうとしたら、収拾がつかなくなって。コツコツ自分で片付けるつもりだったんですけど、そんな気力もなく今に至ります」(男性)。

新しい部屋を借りたのが約1年前のこと。男性はそれからずっと空家賃を払い続けているが、それがずっと心のしこりになっていた。

玄関とキッチンを中心に空き缶やカップ麺の空き容器など、細々としたゴミが散乱している。壁紙も大きく剥がれたままだ。これだけ集めた趣味のモノも新居に持っていくこともなく、ずっと放置されている。冷蔵庫や洗濯機もまだ使える状態のまま置かれていた。

つまり、この部屋を維持したまま、新居でもほとんどの家具を買い直したことになる。誰の目から見ても「もったいない」の一言に尽きるが、どうしてこんなことになってしまうのか。男性から依頼を受け、この部屋の片付けを行った「イーブイ」代表の二見氏が話す。

「この住人の方もおそらく1回は引っ越し業者を呼んでいると思うんです。でも、引っ越し業者もこの状態では引き受けられないので断るはずです。かといって、自分で新居に荷物を運ぶこともできなければ、片付けることもできない。そうして、家具や家電を買い直し、次第に生活の主軸が新居のほうへ移っていったのだと思います」

お金に余裕があったり、ルーズな側面があったりすれば、さらにこのような状況に陥りやすい。経済的な余裕がなければ、当然、空家賃を払い続けることはできない。

雨が降るたびにビニール傘を買ってしまう人、損しているとわかっているのにスマホの料金プランを変更しない人。そういった些細なことを後回しにしてしまいがちな人は、損をする額が大きくなったとしても、問題をズルズルと先延ばしにしてしまう。

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