｢正反対な日本人女性｣と結婚した男の幸せな瞬間 2人をパートナーにしていった2つの物語

そのイラストは大胆で、陽気で、記事のトーンを正確にとらえていました。

その記事が掲載されると、反響はまさに電撃的でした。学校や世間で活発な議論が巻き起こりましたが、僕にとって本当の勝利は、ミキのアートが主役を奪ったことでした。彼女のイラストは単なる付け足しではなく、その記事の魂そのものでした。

そして2018年。僕は京都でTEDトークに招待されました。テーマは文化的な懸け橋と障壁を探るという個人的なもので、僕は何週間もリハーサルをしました。鏡の中、シャワーの中、そして我が家の2匹の猫、フーとドリュー（予想通り、彼らは感心していませんでしたが）とも練習しました。リハーサルの日を迎える頃には、もう完璧だと思っていました。

そして、会場に足を踏み入れました。

客席は重厚で、空席はすべて僕を見つめていました。スポットライトがまぶしく、突然、僕の自信は消え去りました。僕は冒頭のセリフでつまずき、支離滅裂なことをつぶやき、ついに諦めて舞台袖にそそくさと退散したのです。

優しかった彼女が突然…

ホテルに戻ると、僕はベッドに倒れ込み、「もう無理だ。限界だ」とつぶやきました。しかし、僕の愚痴をただ黙って聞いている代わりに、ミキはもっといいアイデアを持っていました。

「自己憐憫に浸っている場合じゃないよ」と、彼女は冷静だけど毅然とした声で言いました。「立って」

「お願いだから、このまま放っておいてよ」と、枕に顔を埋めながらうめきましたが、彼女は一歩も引きません。

「立って、今すぐ！」僕が振り返って彼女を睨むと、彼女はにっこり笑いながら付け加えた。「プリーズ」仕方なく起き上がると、その後に続いたのは、まったく理解不能な展開でした。彼女は僕に窓に向かってスピーチを練習させ、次に壁に向かって、さらにはミニ冷蔵庫にまで話すようにさせたのです。「本気で？」と僕は困惑しながら言いました。「冷蔵庫にまで話せって？」

「まずは信じて」と彼女は答えました。それで、僕は信じることにしたのです。彼女は僕の姿勢を直し、声のトーンを調整し、言葉につっかえずにスピーチ全体を暗唱できるようになるまで容赦しませんでした。

やっと休憩を許されたときには、緊張する余裕さえないほど疲れ果てていました。翌日、僕はステージに上がり、見事にやり遂げました。拍手は雷鳴のように響きわたりましたが、一番心に響いたのは、観客席にいるミキの笑顔でした。その笑顔がこう語っていました。「ほらね。できるって信じてたよ！」。