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異業種交流会で「人脈づくり」満足する人の盲点 多数の味方をつくる、鯱もなか流・人脈形成術

東洋経済オンライン / 2025年1月12日 8時40分

犬飼さんと僕との固い絆は、まさに「相手が喜ぶものを差し出し合う」ことで生まれた好例だと言えるでしょう。

「僕は35年間この業界にいるけど、土産物の販売って売店での場所取りがすべてなんですよ。いかに良い場所に置いてもらえるかで、売上がまったく変わってきます。だから、商品の企画力と営業力が命。

でも古田さんは、SNSを巧みに利用して売上を伸ばしていくという、まったく新しいマーケティングの手法を編み出した。これってものすごいことです。

一方で、何もわからないまま事業を引き継いでいたから、この業界のしきたりだとか、いわゆる正統派の営業をご存じなかったので、私ができる限りお伝えしました。

命をかけて『鯱もなか』を継いだという覚悟、必死で頑張っている姿を見て、心から応援したいと思ったからです。じつは私自身も、会社が潰れそうな状態から社長と二人三脚で死に物狂いで営業をして、必死にここまで来たんでね、自分と重なるんですよ。取引先も少しだけですが紹介しました。とはいえ、私が少し早く引き合わせただけであって、古田さんならすぐに自分でも販路を広げていたに違いないですけどね。

反対に古田さんは、私にXの活用法や戦略の立て方を惜しみなく教えてくれました。アカウントは持っていたけれど、積極的に運用していなかったXに注力し始めたのは、古田さんに出会ってからです。

とはいえ、彼と同じことはとてもできないから、訪問したお店の様子を毎日発信して、ほかのお店の方やバイヤーの方に情報を提供することに力を入れています。

おかげ様で『Xを見ました』と、お客様だけでなくバイヤーさんから声をかけてもらうことが増え、商品の売上にも繋がっています。『鯱もなか』が幸運を運んできてくれるというのは、本当です! これからも名古屋のお土産市場を一緒になって盛り上げていきたいですね」(犬飼さん・談)

こうしてWin-Winな関係となった僕と犬飼さんは、ある意味ライバルでありながら、いまでは一緒に営業に行ったりもするほどです。

自分にできることを進んで差し出すことで、強固な絆が築けるのです。

(前回の記事を読む)コロナで販売急減「誕生100年の銘菓」が復活の背景 SNSで大量に販売できた経緯とは?

古田 憲司:「元祖鯱もなか本店」専務取締役

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