原宿「意識高い系フードコート」で出会う未知の味 東急「ハラカド」は若者の楽園、だが意外にも…
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 9時20分
卓上にQRコードがあり、メニューを見るだけでなく注文もオンラインでできるようだ。
モバイルオーダーできるのは新しい、と思ったがイタリアンジェラートの店は注文できないなど、いくつかの制約もあった。フードコートはいろんな店や利用者の楽しみ方を眺めるのが醍醐味だし、結局ぶらぶらとさまようことに。
さて何を食べようか。なんだかんだいって、ピザやカレーといった知った食べ物が目を引く。しかしここはハラカド、新しい自分の「『門』出」として、食べたことのないヴィーガン料理を提供する「FALAFEL BROTHERS HARAJUKU」で「ファラフェル」なる食べ物のハーフサンドをチョイス。
合わせるものは何にするか。私のような年に数えるほどしか原宿に来ない人間は、やっぱり原宿といえばクレープ。他の店舗と比較して、割と原宿らしさというか、ポップさを打ち出している「ABC canteen」が目を引いたので、クレープも購入することに。
ヴィーガン料理に合わせるのはタブーな気もするが、まあそこには目をつぶろう。
しばらく待って、クレープ→ファラフェルサンドが到着した。ちなみにファラフェルとは、ひよこ豆をつぶしてハーブと混ぜ、揚げたもの。要はコロッケみたいなものである。
店舗にあった掲示物によると、ハンバーガーやピザなどが生まれる遥か昔から食べられていたファストフードとのことで、現在は中東だけでなく欧米でも人気を博しているとか。
サンドはスタイルをいくつか選べた。今回は、ひよこ豆などのペーストである「フムス」やナスの和え物である「ババガヌーシュ」、オリーブオイルを使った地中海スタイルをチョイスした。
何だかやっぱり、ヴィーガン料理は物足りなかった
初体験のファラフェル、やっぱりコロッケに近い。中身はコロッケよりもゴロっとしており、ひよこ豆だろうか、素材の主張を感じる。フムスやババガヌーシュがソースみたいな感じで、食べる箇所によって味がいろいろと変化するのが面白い。
ヴィーガン料理だからと若干なめていたが、ファラフェルや具を包んでいるピタパンのボリュームが結構あって、それなりに満足感が高い。「ハーフ」だがこれで十分なサイズ感である。
とはいえ、ヴィーガン、あるいはベジタリアンですら私にとっては、何だかやっぱり物足りない。クレープがあって良かった。苺とチョコ、ホイップの暴力を存分に味わう。
考えてみると、しっかりと座してクレープを食べたこと、ないかもしれない。歩きながらではない、そして動物性の栄養を欲しがるコンディションもあっていつも以上においしく感じた。
敬遠しそうな人こそ行ってほしい施設だった
オモカドに背中を押されて食べたファラフェル、ヴィーガンとしての新しい門出とはならなかったが、まずまずだった。
いやむしろ、年齢を重ねると新たな出会いはなくなるもの。結果的には、非常にいい時間となった。未知の味と出会うことは、普通のフードコートでは叶わないのだから。
フードコートに限らず、こういう新たな出会いが、この施設にはいろいろとあふれているのだろう。
世に出ているニュースを見て、「ハラカドって、東急の意識高い社員が採算度外視で作った、貴族の遊び場的な場所でしょ?」「メニューも謎すぎるし」と思った人こそ、足を運んでみてほしい場所だった。
鬼頭 勇大:フリーライター・編集者
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