1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「ゲーセン」大激変で中年ゲーマーが排除される訳 中年ゲーマーは嫌?「IPとクレーンゲームの店」に

東洋経済オンライン / 2025年1月13日 8時40分

相次ぐ倒産が報じられているゲーセン。業界全体が変化するなかで、「昔からのゲーマー」が排除されつつある(写真:ユウスケ/PIXTA)

デフレが終わり、あらゆる物が高くなっていく東京。企業は訪日客に目を向け、金のない日本人は"静かに排除"されつつある。この狂った街を、我々はどう生き抜けばいいのか?

新著『ニセコ化するニッポン』が話題を集める、"今一番、東京に詳しい"気鋭の都市ジャーナリストによる短期集中連載。

2024年を振り返ると、いろいろな業種での倒産数が過去最高を記録したことが印象深い。

【画像6枚】個人店が大量閉店、業界縮小の中で拡大する「イケイケゲーセン」と、今はもうない懐かしき「SEGA」のゲーセン…など

その1つが、ゲームセンターだ。

帝国データバンクが昨年4月7日に発表したデータによれば、ゲームセンターの倒産が過去5年で最多となった。2年連続で倒産数は増加している。ゲームセンターの店舗数自体、10年間で8000店近く減少しており、直近5年間では3割減だ。

他業種との比較を踏まえると、ゲームセンターだけが苦境に立たされている、とは言い切れない。しかし、こうしたゲームセンター数の変化には、その空間の変化も表れていると感じる。そんな変化を解説しよう。

二極化するゲームセンター 

こうしたゲームセンター業界の変化については、『ゲームセンター文化論』の著作がある加藤裕康が詳細な分析を加えている。

加藤は日本アミューズメント産業協会『アミューズメント産業界の実態調査』(最新データは2021年まで)から、ゲームセンターにおけるゲーム設置台数を比較し、「ゲームセンターの小型店と大型店の二極が増加している」と述べる。ゲーム機設置台数が201台以上の店舗の数は増加しているのだ。

これは、例えばラウンドワンや、SEGAが名称を変えた「GiGO」などの大型店の割合が増えていることを想像すれば、わかりやすいだろう。数年前ぐらいからだろうか、「GiGO」という看板を街中でみる機会が増えた気がするが、それはデータ的にも合っているのだ。

一方で、ゲーム機20台以下の店舗も増加傾向にあるが、加藤はこれについて「カプセルトイショップ」の増加ではないか、と推測する。実際、カプセルトイの2023年度の市場規模は約1150億円で、前年度(約720億円)から59.7%アップしている。

しかし、それ以外の店舗は減少傾向にあって、カプセルトイショップでもなく、大手の大きなゲームセンターでもない、中小のゲームセンターの苦境が際立っている。イメージするなら、昔ながらの格闘ゲームやアーケードゲームが主体の小さなゲームセンターが無くなりつつある……というイメージだろうか。

GiGOの躍進の背景にはなにがあったか

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください