「No No Girls」オーディションが示した新たな形 ちゃんみなの「誰も諦めない」プロデュース哲学
東洋経済オンライン / 2025年1月13日 15時0分
候補者への信頼は、最終審査にも表れていた。内容は、2チームに分かれてのグループ審査とソロ審査。ソロ審査では、候補者一人ひとりがちゃんみなのオリジナル曲をパフォーマンスする。
どの曲をやるかは1対1でちゃんみなと面談して決める。候補者がどんな「No」を表現したいか、また歌、ラップ、ダンスのバランスをどうしたいかなど、ちゃんみなと候補者が互いの基本的な考えを伝え、本番での楽曲を決める。ただ、パフォーマンスの具体的な演出は候補者自らが考える。必要ならば歌詞やアレンジを自由に変えてよい。
もちろん、パフォーマンス面などの課題や要望はちゃんみなが本人に伝え、成長を促す。だが根底には、ちゃんみなと候補生の間でどちらが上というようなことはなく、対等な関係性があることが感じられる。
候補者同士の関係性についても同じことが当てはまる。
公式サイトには番外編として、候補者たちのリラックスした姿を映した動画も公開されている。たとえば、5次審査のパフォーマンスを候補者全員で見る動画では、「かわいい」といった感想も飛び交うと同時に、他の候補者の歌やダンスに盛り上がる姿がある。
歌、ダンスだけでなく表情のつくりかたといった点についての感想も飛び交う。ライバルであり仲間。そうして互いに切磋琢磨するポジティブな関係性であることが伝わってくる。
最終審査も「ノノガ」らしく
そして迎えた最終審査。Kアリーナ横浜の観覧申し込み数は収容人員をはるかに超える約5万人に達し、1月11日の審査の翌日にはYouTubeで1回限りの配信もあった(筆者はこちらで視聴した)。
配信は数十万人が視聴し、SKY-HIも自身のXで「同時接続50万人を突破しました!とんでもないことになっています」とつぶやくほど。配信後もXで「#ノノガファイナル」が1位になるなど、関連ワードが軒並みトレンド入りした。日を追うごとに関心が高まっていったことの証しだろう。
最終審査は、これがオーディションであることを忘れさせるようなもので、全体がまるでひとつのライブのようだった。
まずちゃんみなのオリジナル曲「Drop」のチームパフォーマンスがあった。それからソロ審査へ。10人の候補者が渾(こん)身のソロパフォーマンスを繰り広げ、思わず感嘆するステージがいくつもあった。
ちゃんみなが掲げた「私を超せるかどうか」という最終審査の審査基準を決して大げさとは感じさせない候補者たちの姿に、アリーナを埋めた観客も敏感に反応し、歓声をあげていた。
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