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西野七瀬が念願の「ショートカット」と"新境地" 「大切な人を失った恋人の幻影」という難役

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 17時0分

「頭を空っぽにして、その場に『無』で立つ感覚を大切にしました」

こうした徹底したアプローチが、亡くなった恋人の“幻影”としての存在感を見事に作り上げていった。

映画では、大切な人を失った人々が、それぞれの形で悲しみと向き合う姿が丁寧に描かれている。そのテーマに触れた西野もまた、自分自身に重ねるように思いを巡らせていた。

「観ながら自然に『自分だったらどうするだろう?』と考えました。あくまで想像の範囲ですが、できるだけ明るくいられたらいいなって思います。『ここにいるよね』と感じられるくらい、理想的にはそんな風に前を向けたら素敵だな」と、彼女は穏やかな表情で語った。

映画のテーマと同様、西野もまた、過去の痛みや感情に向き合うことの大切さを語った。

「つらかった過去って、忘れたつもりでもふと思い出すことがありますよね。でも、心の傷は結果的に時間が解決してくれるイメージがあります。私はあまり引きずらないタイプで、寝てしまえば大丈夫なことが多いんです」と笑顔を交えながら語る。急に蘇る記憶にも、「無理に追い払おうとはしないですね。忘れようとしなくてもいい。思い出したいときに思い出せばいいし、誰にも迷惑をかけないなら、自分の中で向き合い続けるのも悪くないと思います」。

過去を振り返ることで見えるものについても彼女はこう話す。「昔の自分が物事に振り回されていたり、感情が揺れていた経験も、今になれば『もう大丈夫なんだ』と気づくきっかけになることがあります。でも、克服したと思っていても、またダメージを受けることもありますけどね(笑)」。

「悲しみの先にある温もり」感情との向き合い方とは

西野にとって、ポジティブとネガティブの感情は、どちらも欠かせないものだ。「なぜか、ネガティブな記憶のほうが心に深く刻まれやすい気がします。でも、それを他の人に伝染させないように意識しています」と語る一方で、「良い感情も悪い感情も、両方を知ることで人としての豊かさが増すんじゃないかな」と柔らかく微笑む。

今回の映画についても、「テーマ自体は悲しいものかもしれない」と認めながら、「それでも観た人の心にじんわりと温かさを残す作品だと思います」と語る。その言葉には、悲しみの中にある希望を丁寧に紡いだ本作への確かな手ごたえが感じられる。

さらに映画を通じて、「グリーフケア」という言葉にも新たな気づきを得たという。

「喪失の痛みを癒すアプローチとして『グリーフケア』がありますが、それが合う人もいれば、そうじゃない人もいると思います。無理に『これがいい』と探し求めるより、不意に『あ、これかもしれない』と思える瞬間が訪れるほうが自然でいい気がします。この映画を観た方が、自分に合った形を見つけるきっかけになったりするとうれしいです」

気づきを大切にする柔軟な姿勢

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