中国「BYD」大躍進の理由は"EVじゃなかった"衝撃 アメリカでの「EV一服」は中国も例外じゃない
東洋経済オンライン / 2025年1月17日 8時0分
中国EVのBYD(比亜迪)が、EVの世界販売でついにアメリカのテスラの背中を捉えようとしている。2023年に23万台あった差は、2024年に2万台まで縮まった。
ただし、同年のBYDの大成長を演出したのはEVではない。EVにはまだ懐疑的だが、ガソリン車には戻れない消費者の間で現実的な選択肢になりつつあるPHV(プラグインハイブリッド)の車種を幅広く展開したことが、BYDの勝ち筋につながった。
2024年は自動車業界にとって分岐点
後から振り返れば、2024年は世界の自動車業界にとって分岐点として記憶される年になるかもしれない。
世界販売台数でトヨタ自動車と世界首位を競ってきたドイツのフォルクスワーゲンの業績が低迷し、同国にある工場の閉鎖まで俎上に上がった。
右肩上がりで成長を続けてきたアメリカのテスラも、販売実績を公表するようになった2012年以降初めて、年間販売台数が前年比でマイナスとなった。
国内に目を向ければトヨタ自動車が型式認証不正に揺れ、年末には日産自動車とホンダが経営統合に向けた交渉開始を発表した。
誰もが潮目の変化を認めざるをえない中、もはやダークホースとは呼べないほど存在感を高めているのがBYDだ。
BYDの2024年の世界販売は前年比41%増の427万2145台だった。
BYDは昨年創業30年を迎えた。アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが2008年から投資をし始めた。EVバスでは2010年代から実績を挙げていたが、乗用車メーカーとしては最近までこれといった特徴のない中堅メーカーにすぎなかった。
コロナ禍前の販売台数のピークは2018年で50万台強。その後中国の自動車市場が低迷し、2020年の販売台数は約42万6900台だった。それが2021年は約74万台、2022年に約185万7000台、2023年は約302万4400台と伸ばし、わずか4年で世界販売が7倍になり、「テスラの唯一のライバルであるEVメーカー」としてのポジショニングを確立した。
PHVとEVの両方を手がけるBYDは、EVの販売台数ではテスラに差をつけられていたが、2024年はテスラが前年比1%減の178万9226台、BYDは同12%増の176万4992台と僅差に迫った。
テスラのおひざ元であるアメリカでは2023年以降EVの市場が伸び悩んでおり、かねて噂されている低価格EVの発売など、起爆剤が投下されなければ、2025年はBYDに逆転される可能性がある。
中国でもEV離れの兆し
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