日本製鉄「USスチール買収成功」へのプランBとは トランプ次期政権ではむしろ可能性あり!?
東洋経済オンライン / 2025年1月18日 8時30分
ただし電炉は南部のアーカンソー州なので、労働者はUSWに加盟していない。USWが日本製鉄による買収に反対してきたのは、たぶんこの辺に真の理由があるのだろう。つまり「お前たちは電炉だけ残して、高炉は捨てるつもりだろう」と疑っているわけだ。
ほとんどの国において、製鉄業は高炉が中心で電炉は補完的な役割である。日本でも世界全体でも7対3くらい、中国に至っては9対1くらいである。
ところがアメリカは逆に3対7で電炉が優勢になっている。石炭を使って鉄鉱石を溶かす高炉ではどうしてもCO2が出てしまう。しかし、スクラップを溶かして製鉄する電炉は排出量が少なくて済む。高炉が24時間操業であるのに対し、電炉は市況に合わせて生産できるというメリットもある。
「プランB」という選択肢があるかもしれない
つまり斜陽となって久しいアメリカの製鉄業では、いち早く「高炉から電炉へ」という構造転換が進んだのだ。日本製鉄としては、ビッグリバー・スチールの技術を日本国内の電炉に転用するだけでも、かなりの生産性向上が得られるはずである。日本国内の電炉はハッキリ言って少数乱立状態。これを再編できれば、それだけで日本経済の「伸びしろ」と見ることも可能であろう。
「あきらめる理由も必要もない」――こちらは1月7日、日本製鉄の記者会見における橋本英二会長の発言だ。橋本氏の構造改革の結果、日本製鉄は年間5000億円程度の粗利が出る会社になった。
4年分の利益でUSスチールが買えるのなら、十分に勝負になるというのが腹の内であろう。ただしこの買収には、ビッグリバー・スチールの電炉といううまみもついている。最悪、「電炉だけ買う」というプランBもあるんじゃないだろうか。そんな「落としどころ」があっても不思議はないと思いますぞ(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
ここから先はお馴染みの競馬コーナーだ。
19日は日経新春杯(G2)が行われる。例年は京都競馬場の芝コース、距離2400メートルで行われるが、今年は2021年~2023年と同様に中京競馬場の芝コース、距離2200メートルで行われる。
普段はハンデ戦にしては荒れにくいレースなのだが、中京開催時にはしばしば伏兵の台頭があって高配当になるのでご注意を。
中京開催の日経新春杯は非根幹距離に強い「あの産駒」
狙ってみたいのはメイショウタバルだ。昨年の3歳クラシック路線を近い順に振り返ると、10月の菊花賞では距離が長すぎたのか16着と大敗。5月の日本ダービーは出走取り消し、4月の皐月賞は使い詰めで17着と散々だった。
この記事に関連するニュース
-
こんなに理不尽なことが許されるのか…「890億円の違約金は不可避」日本製鉄が米国で悪魔扱いされるゲスな真相
プレジデントオンライン / 2025年1月16日 18時15分
-
日鉄がUSスチール買収「禁止命令」の無効を訴え法廷闘争を選択
財界オンライン / 2025年1月16日 7時0分
-
日本製鉄 USスチール買収への不当介入に対して複数の訴訟を提起
Digital PR Platform / 2025年1月7日 10時15分
-
アングル:日鉄のUSスチール買収、今後どうなる 日米関係に影響は
ロイター / 2025年1月6日 12時9分
-
アングル:「経済」か「安保」か、日鉄の米社買収 議論かみ合わず最終局面
ロイター / 2024年12月24日 15時57分
ランキング
-
1TikTok禁止法、米連邦最高裁が合憲と判断…言論の自由侵害の主張退ける
読売新聞 / 2025年1月18日 0時42分
-
2マッチングアプリを使う時間帯に男女で決定的差 スマホユーザーの利用ログを解析した結果
東洋経済オンライン / 2025年1月18日 8時30分
-
3日本製鉄「USスチール買収成功」へのプランBとは トランプ次期政権ではむしろ可能性あり!?
東洋経済オンライン / 2025年1月18日 8時30分
-
4だから節約貧乏になる…お金が逃げていく「NISA貧乏」「ポイ活貧乏」「キャッシュレス貧乏」の残念な思考回路
プレジデントオンライン / 2025年1月18日 8時15分
-
535万円の「お菓子の城」が完売 明治が重さ110キロの遊園地キットを販売した理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月18日 9時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください