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創業22年で「過去最高の売上」ラーメン店主の勝因 「好き」をとことん突き詰める、渡辺樹庵の流儀

東洋経済オンライン / 2025年1月19日 8時50分

その中でも横浜家系ラーメンや富山ブラックは大ヒットし、初日から100杯以上出ることもあった。

コロナ禍に、限定ラーメンの頻度を増やした

その後、コロナの時期から明確に限定ラーメンの頻度を上げた。

コロナで緊急事態宣言が出るなどしてお客さんの数が急激に減ってから、お客さんを取り戻すために限定ラーメンの頻度を上げていくことにしたのだ。次から次へと限定ラーメンを連発し、毎月何かしらの限定を提供するようにした。

「限定を連発してから出る杯数のベースが上がってきたんです。初日に100杯出るのが当たり前になってきて、その後落ちても50杯はキープできるようになりました。それに乗じて全体の売り上げも上がっていきました。

限定を常に用意するようになったので、それによって“限定ラーメンをやっている店”として認知されたのではないかなと思います」(樹庵さん)

すると、「渡なべ」がどんな限定ラーメンを出しても食べに来てくれる「限定ファン」が現れ、興味のある限定が出ている時だけ来てくれるお客さんも自ずと増えていった。

特に、限定ファンが何度もリピートして食べに来てくれるラーメンが大ヒットする傾向が出てきた。

濃い“限定ファン”が何度も足を運ぶ状況が生まれた

「渡なべ」の限定は視点が面白く、本気で作っていて美味しいという噂が広まっていく。ラーメン関係者の注目度が高いというのもポイントだ。ラヲタである樹庵さんが作る一杯だからこそ、関係者やラヲタに響くのだ。

限定用の食材を使ったり、その都度卓上調味料を入れ替えたりと他の店にはないこだわりを見せており、それがしっかりお客さんに伝わっている。

限定ラーメンが1日100杯出るお店というのは日本全国探してもそうそうない。一般的には20~30杯ぐらい出ればいいところだろう。「100」というのは1日の来店客数の目安にもなる数字。それを限定ラーメンだけで出してしまうというのはとんでもないことだ。

コロナ期間で樹庵さんのXのフォロワー数も増えた。限定ラーメンを頻繁に出しているので、その内容をチェックしに来る人が多かったことが推測される。これよりお店には新しいお客さんが増えていった。

限定ラーメンで、新規の客を呼び込む

限定ラーメンが次々ヒットしていくことによって、反響に合わせてさらに本気度が増し、一杯一杯を作り込むようになった。

「限定ラーメンを常連客に飽きさせないためにだけ作っているお店は多いと思います。この場合は売り上げのアップは見込めません。こういったパターンであれば、どんなラーメンを作ってもいいとは思います。

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