日本人が不安定な社会で「自分の財産」を守る方法 トランプ大統領の再登場で心配される2025年
東洋経済オンライン / 2025年1月19日 8時0分
どちらにしても、長い目で見れば円は安くなっていくことは間違いない。なぜなら、日本政府の円の価値を下げる政策が目立つからだ。2025年度の一般会計でも、114兆円の歳出が閣議決定されているが、それだけ円の価値がまた下落すると考えたほうがいい。最終的には、2029年までに1ドル=180円を予測するAIも登場している。そういう意味では、2025年の投資でも、外貨建てでの運用が選択肢に入ってくる。
一方、日経平均株価の株価予測を調べると、証券会社はほとんど予測を発表しておらず、はっきりしているのはアメリカの株価次第だということだ。トランプ政権の関税や防衛費問題で、日本経済がどの程度まで影響を受けるのか、簡単には判断できそうもない。とは言え、日本の経営者20人に聞いた2025年末の株価水準では、大半の経営者が2024年につけた終値ベースの最高値4万2224円を更新すると答えている(日本経済新聞、2025年1月1日「日経平均株価、9割が『最高値更新』経営者20人予想」)。
また、著名なストラテジストなども4万3000円から4万6000円に達するとみていると報道されるなど、いずれも史上最高値を超えている。年末まで史上最高値を超えたレベルで推移するかどうかは微妙だが、日本株も専門家はおおむね好調だとみているようだ。
ただ、これもアメリカ株次第といっていいだろう。そもそも2025年の日本には「3つの『上げ』」が迫っていると、野村総合研究所が「世界の中の日本」で指摘している。3つと言うのは「値上げ」「賃上げ」「利上げ」になる。この課題をクリアすることによって、日本経済が普通の経済に成長できると指摘する。
投資対象として何を選んだらいいのか
これらを達成するには、日本経済がある程度順調に成長していく必要があるのだが、そのカギを握っているのはアメリカのトランプ政権次第といっていいかもしれない。投資対象として、日本株を選ぶ人はこうした点を考慮に入れて、個別銘柄や投資信託を選ぶ必要があるだろう。
単純に、日経平均株価に連動するETFや投資信託、といったものに投資する方法よりも、利上げの恩恵を受ける銀行株やトランプ関税とは無縁のセクターに投資する方法を選んだほうがいいのかもしれない。具体的なセクターとしては次のようなものがある(三井住友トラスト・アセット・マネジメント・マーケットレポート、2024年11月19日より)。
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