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やってみたい農業、専業で稼ぐために必要なこと YouTubeからは参考になる情報は得られない

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 13時0分

金持ち農家と話をするといつも驚かされることがあります。それは「農業生産に対する生物学的・科学的知識が豊富」だということ。

私は、農家に生まれ、農業高校、そして大学の農学部、大学院と9年ほど座学中心に農業を学んできました。だからこそ、最低限の知識を備えていると思っていたのですが、金持ち農家は、それ以上に実学としての農業生産に関する知識が豊富です。経歴を聞くと、高校も大学も農業系ではないのに、農業生産に対する知識をきちんと持っていて、言語化して説明することができます。

一方で、貧乏農家と話をすると、農業生産に対する生物学的・科学的知識を持ち合わせていないんだなと感じることが多い。会話の中に、「農業生産に対する生物学的・科学的知識」の片鱗が見えないのです。つまり、「植物が育つロジック」を理解していません。ロジックがわかっていないから、対症療法的な方法論に終始するしかないのです。

農業では、土作り、肥料、病気、害虫、農薬、温度や二酸化炭素、光などの栽培環境や生産品目の特徴や品種特性、農業機械に至るまで、幅広い知識が求められます。そしてその知識は自分の農場の特徴に応じて使い分ける必要があります。

たとえば、同じトマトを育てていても、土壌環境が違えば土作りの方法や肥料が変わりますし、品種が変われば温度管理も違ってきます。日本全国、農家の数だけ、いや農場の数だけ生産方法があるのです。Aさんがうまくいった方法がBさんの農場でうまくいくという保証はありません。

農業生産を学ぶ方法

では、植物が育つロジックをどのように学べばよいのでしょうか。まずは、基本を学びましょう。基本的な知識は、書籍で習得することができます。専門書なので少し高価なのと、言葉が難解なところがネックですが、金持ち農家になりたい人は必ず読んでください。

たとえば、一般社団法人農山漁村文化協会(略称:農文協)は、農業関係の専門書を多数出版しています。また、誠文堂新光社の「図解でよくわかる」シリーズでは、「土・肥料のきほん」「土壌微生物のきほん」「病害虫のきほん」など、農業に必要な基礎知識がわかりやすくまとめてあります。注意すべき点として、「○○農法」とか「○○理論」というタイトルがついている本は初心者は避けたほうが無難です。これらは、基本を理解した人が読む応用編になるからです。

書籍以外で学ぶ方法は、専門家やそれを生業にしている人から学ぶこと。とくに、農業生産資材会社の方や都道府県の農業普及指導員などが頼りになります。

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