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池袋西武の全面改装で危ぶまれる25年夏の開業 複雑な構造の建物に対応できず工事に大幅な遅れ

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 10時0分

池袋西武でいったい何が起きているのか(写真:Ryuji/PIXTA)

2024年9月12日、東京都港区の綱町三井倶楽部には700人もの人々が集まり、盛大なパーティーが開かれていた。壇上には、西武ホールディングスの会長兼最高経営責任者(CEO)を務める後藤高志氏や、慶応大学名誉教授の竹中平蔵氏、そしてラグジュアリーブランドのLVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン社長のノルベール・ルレ氏らが立ってスピーチしたほか、東京都知事である小池百合子氏のビデオメッセージも紹介された。

パーティーの主催者は、2023年9月にアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに買収されて傘下入りした百貨店のそごう・西武だ。

ただ、こうした華やかな演出とは裏腹に、実際の改装工事はかなり遅れているという――。

昨年12月に刊行した『セブン&アイ 解体へのカウントダウン』から一部抜粋しつつ、池袋西武の今後を占う。

ラグジュアリー百貨店への転換を狙うが…

このパーティーは、2025年夏に全館リニューアルオープンを予定している西武池袋本店(池袋西武)について、取引先などを集めて説明するために開催したものだった。傘下に入って以来、そごう・西武の首脳が公の場で顔を揃えるのは初めてのことで、代表取締役の劉勁氏、社長の田口広人氏、副社長のダヴィデ・セシア氏や久保田俊樹氏らが出席した。

池袋西武にはヨドバシカメラが出店予定で、百貨店の売り場面積は55%程度に縮小される。そのためフルラインナップは諦めて、ラグジュアリーにビューティ、フード、アートの4領域に絞り込み、高級ブランドの世界観を表現したようなラグジュアリーな百貨店にする計画だ。

商品戦略でも消化仕入れとテナント契約の割合を7対3から3対7に逆転させるという。

ところがだ。事情に詳しいそごう・西武関係者によれば、「実際の改装工事はかなり遅れており、2025年夏のオープンは到底無理だろう。2025年中に完成すればいいくらい」という。

この幹部は、「長期間、売場が工事で閉鎖するような事態となれば、ラグジュアリーブランドは離れていくし売り上げも大幅ダウンとなる可能性がある。親会社がセブン&アイからフォートレスに変わっても、結局赤字のままで再建できないのではないか」と懸念を示す。

池袋西武でいったい何が起きているのか――。

「ラグジュアリーブランドや食料品など領域ごとに、売り上げと利益貢献度の大きい順に上から並べて提出してほしい」

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