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10億回再生「エガちゃんねる」D語る"下品の流儀" 「コアなファン」にだけ刺さっても続かない

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 14時0分

言うなれば、「羊の皮を被かぶった狼」ならぬ、「羊の皮を被った下品」作戦。「さぁ、下品なものですよ!」と見せるのではなく、「ほっこり系の旅番組をやっていますよー」と見せかけて、中で隠し球のように下品な企画を入れ込んでいく。

ユーチューブでは「重大な発表」っぽいサムネにして、じつはたいしたことないという「サムネ詐欺」がよくありますが、我々は「なんてことない旅動画」に見せておいて、いざ動画を観てみると過激でとんでもないことをやっているので、視聴者からは言わば「逆サムネ詐欺」をしています。

とにかく、我々のやりたいことをどの側面から見てもらうか、知ってもらうか。福島と向き合う江頭さんも、徳島ラーメンを食す江頭さんも、それはそれで見せていきたい「B面の江頭さん」=江頭さんの人柄や素の面白さ=であり、尺の長さで言えばそちらがメインです。

でも、本来の江頭さんや僕らがやりたいこと、江頭さんのコアなファンやあたおかに喜んでもらえるような「A面の江頭さん」も入れ込む。どちらもガッカリさせず、どちらにも満足してもらう。それも「下品の流儀」なのかもしれません。

コア層だけに刺さるコンテンツは終わる

江頭2:50のユーチューブなのだから、とことん下品でいいのでは。そう考える人もいるでしょう。でも、それでは「エガちゃんねる」が終わってしまう、ということを僕は過去の経験で学びました。

「エガちゃんねる」を始める以前、インターネット番組「がんばれ!エガちゃんピン」(BeeTV)という番組を江頭さんと作っていました。江頭さんにしかできない「新記録」を目指して過酷で下品なロケを敢行する、というコンセプトの番組で、僕も若くて尖っていたこともあり「お笑いこそ正義だ!」という信念(若気の至り)のもと制作していました。

そんな「江頭純度100%」の番組は、江頭さんや僕らも作っていて楽しく、コアファンからは絶賛してもらえていました。しかし、結果的に番組は終わってしまいます。過激で下品なだけでは、マス層には観てもらえず、広く認知はされませんでした。すごい狭い世界で盛り上がっているだけだったんです。

「番組が終わる」というのは、今まで毎週ロケをしていたメンバーと会う機会がなくなり、毎週会議をしていたメンバーとも会う機会がなくなる。そのメンバーの収入もその分なくなる。そして、その番組を楽しみにしていてくれた視聴者も、その番組を観ることができなくなる。

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