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4時間待ちも…トラック運転手悩ます切実な問題 シャワーに長い行列、知られざる水回り問題

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 7時50分

10分のために約4時間待ちも

こうしたSAPAはトラックドライバーたちにとって数少ない日常のオアシス。指定された時間までの待機や、翌日の運行までの休息のためにたくさんのトラックがひしめき合う。

SAPAの大型マスは、最大級のところでも約350台分。以前から慢性的に大型トラックの駐車マスが足りていないことが問題になっており、マス外や路肩にまで駐車している状態となっている。

問題なのは、すべてのSAPAにコインシャワーがあるわけではない点だ。シャワー施設が備わっているSAPAは、全国でも約50カ所程度。あったとしてもシャワールームは大体3~5台ほどしかない。そのため、シャワー施設のあるSAPAにトラックが集中し、駐車マスが足りなくなっているという状況に陥っている。

「数は少なくていいから、SAPAの各所にシャワールームをおいてほしい」

「高速のシャワーの設置場所を増やしてほしいです。設置されている所に車両が集中してしまうので」

当然、すべてのトラックドライバーがシャワーを使うわけではないが、夕方から夜にかけては、就業後のドライバーがシャワー前に集結。激しい争奪戦が始まる。

「時間に限らず利用者は絶えませんが、特に夕方から夜にかけてが一番混みますね。日によってはシャワー前で1.5時間待たされることもあります」

一部、列に並ばずともLINEなどで予約できるシステムを導入している施設もある。が、あるドライバーから提供された予約画面に示されたのは、待ち人数が44人、待ち時間の目安が「220分」という数字。

現在、トラックドライバーには勤務と勤務の間に連続最低9時間(努力義務11時間)、完全自由な時間(休息期間)を与えることが義務付けられている。が、仕事であれだけ待たされたあげく、ようやく仕事から解放されたこの短い自由時間でさえも、ドライバーは「待機」させられている現状があるのだ。

シャワー増設SAPAが急務な理由

下道にもシャワールームが使える場所はある。なかでもトラックドライバーが利用するのが「ガソリンスタンド」だ。

世間にはあまり知られていないが、一部のガソリンスタンドは、大口契約をしている運送事業者のトラックドライバーたち向けに厚意でシャワールームを無償提供している。給油がてらシャワーを浴びられるため、ドライバーにとって今や必須のシャワーポイントになっている。

が、こちらでもSAPAのシャワー同様にピーク時には待機時間が発生する。

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