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4時間待ちも…トラック運転手悩ます切実な問題 シャワーに長い行列、知られざる水回り問題

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 7時50分

(写真:千和/PIXTA)

長時間労働が問題となっているトラックドライバーの労働環境改善へ向けた働き方改革法が施行されてから4月で1年。しかし、労働時間が減ることは、労働環境の改善にはつながっていないようだ。どういうことか。自身もトラックドライバーとして働いた経験を持つ橋本愛喜氏がリポートする。

【画像】シャワー待ちの行列。長い時は4時間近く待たなければいけないことも

SAPAでの「シャワー待ち行列」

「働き方改革?……いやいや、とんでもない。改革どころか“改悪”でしかないですよ」

他業種から遅れること5年。トラックドライバーたちにも2024年4月「働き方改革関連法」が施行され、時間外労働が年960時間に制限された。

が、現場から絶えず聞こえてくるのは冒頭のような嘆きの声だ。トラックドライバーの労働環境が長時間労働の是正をもって解消されることは決してない。

同法施行後も高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SAPA)で昼間から入浴セットを抱えた男性トラックドライバーがつくる「シャワー待ちの行列」は、筆者がそう断言する裏付けの1つと言っていい。

長距離トラックドライバーたちは、一度地元を離れると1週間前後、長いケースだと2週間近く戻らずに、車中泊をしながら全国各地を走り回る生活を送る。

1日の大半を過ごすのはキャビンの中(車内)だ。

運転中はもちろん、指定時刻までの時間調整や、荷物の積み降ろしまでの「荷待ち」の間も、その小さな空間で待機する。トラックドライバーは、「われわれの仕事は運転ではなく待つこと」と皮肉るほど「待つ」時間が長い。

政府が出している平均荷待ち時間は1.5時間。が、筆者が取材してきたなかで最も長い荷待ち時間は「21時間半」に上る。

終業後も長距離ドライバーは車内から離れない。

地元から遠く離れた見知らぬ土地。そこには当然、家族や友人はおらず、大型トラックが止められる場所には娯楽になるような施設もない。食事をしながら動画やゲームなどで時間をやり過ごし、その日溜め込んだ疲れを運転席後部の狭い寝台に身を預けては、そのまま眠りにつくのだ。

そのためキャビンは仕事場だけではなく「家」としての機能も果たす。キャビンには寝台だけでなく、テレビ代わりのiPadや大量の飲食料、中には電子レンジや冷蔵庫といった家電製品、包丁や鍋などの炊事道具を積み込んでいるドライバーもいる。

知られざる「トイレ」「シャワー」問題

しかし、いくら快適な空間をつくろうともかなわないのが「水回り」だ。日本のトラックには水回りの設備がないため、外の施設を使用するしかない。

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