1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

これからの日本に本当に必要な株式市場とは何か 投資量を増やし株価を膨らませても意味がない

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 8時30分

第1に、将棋のプロ棋士は囲碁に比べてそもそも数が少ないからである。少ない理由は、入り口をとことん限定して狭くしているからである。三段リーグというものを勝ち上がらなければいけないが、これが地獄で、かつ年間4名と決められている。

それ以外は編入試験を除き、基本的にはプロにはなれない。なぜ狭くしているかというと、それはプロ棋士の生活は将棋連盟が面倒を見る、ということで設計されているからである(その後、変化があり、現在は100%そういうわけではないが、その精神はそのまま残っている)。

第2に、将棋連盟のほうは女流棋士という制度を作り、別に運用しているからである。囲碁の女流棋士もいるが、囲碁の場合は、男女で違いは一部でしかなく、女流専用の棋戦がいくつかあるが、その他のほとんどの棋戦には、女流棋士も男性棋士とほぼ同じ条件で参加している。このような状況が、将棋のプロ棋士というものの在り方を非常に特殊なものとし、その結果、日本将棋界というものが非常に狭い特殊な世界になってしまっている。

例えば、かつてのプロ棋士編入試験の試験官を行った高野秀行七段が、今回の件の背景としての、朝日新聞からのインタビューでこのように述べている。

「(対局に負けて)がっくりきました。このとき思ったのは、三段リーグを戦っている人たちがどう思うかなということでした。大変な思いで棋士を目指す若者たちが、これから瀬川さん(編入試験に合格した)の対局の記録を取って『瀬川先生』と呼ばなきゃいけない。申し訳ない思いでした」

「自分がプロを1人増やしてしまった。いざというときに責任を取れる態勢をつくらなければいけないと思いました。将棋連盟は決して大きな団体ではない。連盟からは棋士に対局料などが支払われますが、棋士が1人増えるということは、人件費が増すことでもある。そのことで何か言われることがあれば、引退しないといけないな、と思いもしました」

高野七段のまじめさ、誠実さ、責任感は素晴らしい。しかし、そんな必要はない。

将棋もJRAも「新しいオープンな考え」に転換すべき

私は、将棋界のさらなる発展のために新しい時代に入っているのだから、新しいオープンな考え方に転換すべきだと思う。一定の力があれば、プロと認める。プロの棋戦にはプロは参加できる。しかし、テニスのランキングなどと同じように、ランキングを持っていても食えるかどうかは別問題であり、それは本人次第である。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください