静岡大に現役合格も"3浪で藝大"目指す彼の努力 浪人決意で気づいた「本当に自分が好きなこと」
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 7時30分
浪人という選択を取る人が20年前と比べて1/2になっている現在。「浪人してでもこういう大学に行きたい」という人が減っている中で、浪人はどう人を変えるのでしょうか?また、浪人したことによってどんなことが起こるのでしょうか? 自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した経験のある濱井正吾氏が、いろんな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張れた理由などを追求していきます。
今回は、島根県の高校を卒業後、現役で静岡大学に進学するも、休学して再受験を決意。3浪で東京藝術大学美術学部デザイン科に合格した、家原流太さんにお話を伺いました。
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静岡大学を休学後、3浪で東京藝大に入学
今回お話を伺った家原流太さんは、3浪で東京藝術大学美術学部デザイン科に合格した方です。
【写真を見る】浪人時代の家原さんの写真と、家原さんの作品の数々
家原さんは高校を卒業するまで美術系の大学に入ろうと思ったことはなく、教師を目指していました。
その願いをかなえるため、現役の受験では難関国立大学である静岡大学の教育学部に合格し、見事合格。ところが休学をして、東京藝術大学を目指す決意をします。
どうしてその道を捨てることができたのでしょうか。なぜ多浪しても、東京藝術大学に入ろうと思ったのでしょうか。
彼の人生観を追っていきます。
東京で東大卒の父親と、母親のもとに生まれた家原さん。生まれてすぐ、両親の地元の島根県松江市に引っ越し、高校卒業までの18年間を島根県で過ごしました。
小学校4年生から6年生までサッカーをしていましたが、内気な性格で、本当に好きなのは絵を描くことだったそうです。
「兄弟がいなかったので、1人で絵を描くことが多かったです。小学生のときは、『ONE PIECE』などの漫画の模写をするのが好きだったので、授業中にノートに落書きをして、同級生に見せていました。よく先生にもバレていたのですが、『うまいですね!』ってほめてもらえました」
『ライ麦畑でつかまえて』を読んで教師を志す
そのまま地元の中学校にあがった家原さんは、ソフトテニス部に入り部活に打ち込む日々を送ります。成績はよく、学年70人のうち5番目以内でしたが、塾には通っておらず、根を詰めて勉強をした記憶はあまりないそうです。
「テスト前になって、ようやくしっかり勉強をするくらいでした。当時は夢や、なりたい職業などはなく、将来に対してイメージが湧かなかったです」
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