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日曜劇場「御上先生」が近年一番の傑作になる予兆 衝撃的だった初回を経て、今後注目すべきポイント

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 11時50分

初回から予想を覆すような驚きの展開だった(画像:TBS『御上先生』公式サイトより)

「そんな簡単に見えるものを闇とは呼ばない」

【画像】「御上先生」には有名二世がたくさん出てる?

「言ったよね、ほんとうの闇を見たければ僕を手放すなと」

簡単には見えない、ほんとうの闇に日曜劇場が挑む。

『御上先生』(TBS系)の初回が予想を超えて面白かった。

初回の世帯視聴率は12.2%と、近年の日曜劇場の中でもトップ。2024年10月期『海に眠るダイヤモンド』11.0%、同年7月期『ブラックペアン シーズン2』11.8%、 同年4月期『アンチヒーロー』11.5%、2023年7月期『VIVANT』11.5%と比べて、注目度の高さを感じる。

『御上先生』が傑作になりうる「3つのポイント」

意欲作と感じたのは、『御上先生』というタイトルから学園ものと油断させて、冒頭、いきなり殺人事件が起こることだ。

国家公務員採用試験の会場、早々と答案を出して帰ろうとした人物を背後からフードをかぶった男が刺す。何が起こっているのか? チャンネル間違えた? とにわかに判断できず筆者は面食らい、心が大いにざわついた。この大胆な掴みが『御上先生』の注目すべき第1ポイントだ。

殺人事件が起こった日、文部科学省から、御上孝(松坂桃李)が私立高校・隣徳学院に教師として派遣されていく。彼は東大卒のエリートだが、これはどうやら左遷人事らしい。とすると主人公はポンコツ官僚なのかと思えば、そうではない。生徒たちの前で、御上は自分がいかに優秀か説く。

決して見栄を張っているわけではなく、ほんとうのようだ。というのは、彼の問題例を語る口ぶりがかなり知性的であった。優秀な彼がなぜ左遷されてきたか、この謎が第2ポイントとなる。

主人公は「御上」と書いて「ミカミ」と読む。生徒たちはさっそく「オカミ先生」とからかいを込めて呼びはじめる。官僚だから「オカミ」でこれほどぴったりの名前もない。第1回にして、官僚の「オカミ先生」は印象に残る。

つまり、学園を舞台にしながら、「官僚」の世界の闇を描くようなのだ。従来の学園もののような、ダメな生徒たちを教師が導くようなパターンではないし、『ドラゴン桜』のようないわゆる受験戦争を勝ち抜くノウハウものでもない。

御上は生徒たちに、ほんとうのエリートとは何かを問い、このままなら「上級国民予備軍」でしかないと挑発するのだ。御上先生は、若者たちを真のエリート――神に選ばれた者にすべくこの学校にやって来た。これが第3のポイントである。この第3のポイントが最重要ポイントかと思う。

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