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星野代表が描く「次世代への事業承継」と海外進出 2028年ニューヨーク州に温泉旅館を開業予定

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 8時50分

星野リゾート代表の星野佳路氏(筆者撮影)

星野リゾートは、この先の数年間に、過去にないほどの開業ラッシュを控え、2028年にはバリ、台湾、ハワイ、中国、グアムに続く海外6施設目として、初の北米大陸への進出も予定している。順調に事業規模を拡大しているように見えるが、隙はないのか。

代表の星野佳路氏は現在64歳だが、次世代への事業承継は進んでいるのか? 海外ビジネスのリスクは? 今年取り組むべき経営課題は? 等、年頭に当たってインタビューを実施し、踏み込んだ質問を投げかけてみた。

ビジネスの承継は進んでいるのか?

――星野代表は、現在64歳だが、将来的な経営の承継をすでに準備されているか。

【画像】星野リゾートが開業予定のニューヨーク州シャロン・スプリングス

次世代の経営を担うマネージメントチームをつくって、その組織に対して経営を承継できるよう、すでに準備を進めている。具体的には、社内の意志決定体制と、責任のある各ポジション(ディレクター)の仕事の範囲を明確に決めて、その人たちがどうやって意志決定していけるのかというのを、私も中に入って一緒にトライアルしているところだ。

私からマネージメントチームに経営をバトンタッチするときには、少なくとも次の10年間、そのチームが経営を担って走れるようにしたいと思っている。

――特定の個人ではなく、チームに対して経営を承継するのか。

私が先代から経営を引き継いだときは、社員数が200人に満たない会社で、施設も軽井沢の1軒だけだったが、今は約5000人、72カ所にまで増えた。私の経験や役割を特定の誰かに引き継ぐのは、難易度が高すぎる。

――上手く事業承継するコツのようなものはあるのか。

これは世間一般に言えることだが、次の世代の人たちというのは、前の世代の人たちが考えているよりも優秀だ。その優秀な人たちに、ある程度の失敗を経験させないと、経営の感覚のようなものが身についてこない。だから経営承継はなるべく早めに始め、計画的にある程度の年数をかけて少しずつ身を引いていくのがいい。ある日突然、いきなり引き継ぐというのは無理があるし、最悪なのは後戻りすることだ。

経営がファミリーを離れても価値観を守れる?

――いったん身を引いたら、口出ししないということか。

何がイノベーションにつながるかだとか、どの事業を取捨選択すべきかといったことは、その時代ごとの市場環境に依存する。だから、将来の星野リゾートの経営者が、仮に「旅館業はやめる」と決断したとしても、私は気にしない。ただし、ビジネスの内容は変化したとしても、星野リゾートという会社が守るべき価値観は、きちんと引き継がれていかなければならないと思っている。

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