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星野代表が描く「次世代への事業承継」と海外進出 2028年ニューヨーク州に温泉旅館を開業予定

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 8時50分

現地メディアも注目してくれているが、それは(アメリカ人も)まったく知らない場所に日本企業が進出するからこそだと思う。有名観光地ならば、新しいホテルが1軒増えるというだけの話で、たいした話題にならないかもしれない。

海外ビジネスはリスクにならないか?

――大きな視点で見ると、世界的な潮流として自国優先の保護主義的な経済政策が台頭している。とくにアメリカではトランプ氏が大統領に就任し、その傾向が強まると思われるが、海外への投資はリスクにならないか。

我々が手がける案件は、例えば日本製鉄による(アメリカを代表する企業である)USスチールの買収事案と同じようには受け取られないだろう。過疎化が進んだ町に投資し、雇用を創出することは、彼らにとって何もマイナスにならないからだ。

新しい施設のスタッフは大半が現地で雇用するアメリカ人だ。我々の施設とアメリカのホテルとでは働き方がまったく異なるので、彼らには開業までの間、日本に来て温泉旅館ブランドの「界」で仕事をしてもらいたいと考えている。新施設の開業は2028年を予定しているが、こうした準備が必要なことから、すでに採用を開始している。

私が思うに、アメリカをはじめとする各国との関係において、むしろ問題視される可能性があるのは、インバウンド/アウトバウンドの格差だと思う。日本政府観光局によると、円安を背景に2024年1月~11月期に日本を訪れたインバウンドは約3338万人に上ったのに対し、日本からのアウトバウンドは約1182万人に留まっている。

このことは、旅行収支(国際観光収支)の不均衡として問題視される可能性があるほか、日本の観光産業にとっても、将来的に大きなマイナスになる可能性がある。日本人が海外へ出かけなくなると、各国との間を結んでいるエアラインの直行便を現状のレベルで維持できなくなり、減便、場合によっては廃止せざるをえなくなる。そうするとどうなるかと言えば、日本は世界の中で「旅行に行きづらい国」になってしまう。

通年採用の意図は?

――昨年10月に、学年を問わず選考に参加できる通年採用を開始したことが、大きな話題になった。今後は早ければ大学1年生で内定が出ることもありえる。SNSなどでは「究極の青田買いだ」「学生を不要な競争やストレスにさらす」といった批判が見られたが、これについてはどう思うか。

そうした批判は当たらないと考える。むしろ、今行われている大学3年生のある時期から一斉にスタートする就職活動こそが、ストレスの要因になっているのではないか。

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