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名車「R32型スカイラインGT-R」をEV化した真意 日産が旧車のカスタマイズを披露した理由とは

東洋経済オンライン / 2025年1月30日 12時0分

外観はほぼオリジナルのままで、ボディサイズも変更はない。ただし、ホイールは16インチから18インチに変えている。詳しくは後述するが、増大したパワーと重量に対応するため、現行のR35型GT-Rで採用しているブレーキシステムに換装したことが理由。R35型のブレーキシステムは、R32型に比べて大型で16インチホイールでは収まらないため、ブレーキの容量アップとあわせてホイールも大径化されている。

ちなみに装着されていたホイールは、16インチから18インチにサイズアップしているが、R32純正5本スポークホイールを忠実に再現し、スポーク裏までデザインにこだわったという逸品。筆者の場合、会場で言われて初めて大径化に気づいたほどで、まったく違和感のない仕上がりは脱帽だった。

一方、パワーユニットには、日産「リーフ」用の走行モーターを前後に搭載。駆動方式も、もともとの4WDシステム「アテーサE-TS」から、前後2モーターで駆動する4WD方式に変更している。また、バッテリーはリーフNISMO RC02用の大容量タイプを採用。後席に搭載するため、乗車定員は本来の5人乗りから2名乗りとなっている。

BEV化でも当時の走り雰囲気を忠実に再現

そして、これらモデファイのなかで、とくに注目なのは、R32EVのパワーと重量のバランスだ。最高出力160kW(217.5PS)のユニットを前後2基搭載しているから、トータルパワーは320kW(435.1PS)。280PSを誇ったオリジナルの最高出力を優に超える。ただし、大型バッテリーの搭載などで、車両重量はオリジナルの1430kgから1797kgと360kg以上重くなっている。

開発チームでは、これらパワーと重量の増加に合わせ、モーターの出力・トルクをチューニングし、パワーウェイトレシオをオリジナルのR32GT-Rに合わせているという。なお、パワーウェイトレシオとは1馬力あたりの車両重量(車重)のことで、スポーツカーなどの走行性能を表すときの目安として使われるものだ。R32EVは、それをオリジナルと合わせつつ、最新技術による緻密な制御を施すなどで、BEVながらエンジン車特有の加速感も再現しているという。

また、専用のサウンドシステムも採用。走行中、外からはエンジン音は聞こえないが、コクピット内にいるドライバーには、RB26DETT特有のエンジン・サウンドが堪能できるという。さらに、ステアリングなどから6気筒エンジンならではの振動まで感じられる工夫も施し、乗り味を可能な限りオリジナルに近づけている。

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