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閉店発表「心斎橋OPA」ジリ貧→衰退の本質理由 外国人にも日本人にも響かない施設になったワケ

東洋経済オンライン / 2025年2月1日 8時40分

その片隅には、何台かのプリクラマシンがぽつりと置かれており、地元の女子高生グループが数人で写真を取っていた。地方のショッピングセンターに行くと、こんな巨大な空き空間を目にすることがあるが、まさか心斎橋でこんな風景を見るとは。

さらに7階にいたっては、店舗がない。閉鎖されていて、エスカレーターの踊り場しか行けない状態だ。

かろうじてにぎわうのは、10階の「海底撈火鍋」。中国の火鍋チェーンで、日本でも最近店舗が増えつつある。こちらはそこそこ人がいて並んでいた。

それから、2階のスターバックス。まあ、スタバはどこも人がいるから、「OPAだから」というより「スタバがあるからOPAに来た」ぐらいで、積極的にビルの盛り上がりを作ってはいない。

本館はかなり衰微している。その後訪れた分館も似たような状況だった。テナントがないところは封鎖されていて、そもそもビル全体で歩ける場所が少ないな……と感じたのが正直なところだ。

もちろん、閉店が決まっているために、新規テナントを積極的に誘致していなかった可能性も指摘できるだろうが、とは言えひとつの歴史を作った施設のラスト1年としては、かなり寂しいのも事実だった。

外国人観光客が押し寄せるミナミ

では、どうしてここまでの苦戦を強いられているのだろうか。

イオンモールの説明では「若者の消費行動が大きく変化し、都市型の商業施設では不動産のコストに見合う利益を上げるのが難しくなった」という。

しかし、私が周辺を歩いた結果、心斎橋OPAがつまずいている最大の理由は「外国人観光客にとって魅力がない」ことだと感じた。

そもそも、現在の心斎橋周辺について見ると、日本人がその活気を作っているかどうか怪しい。

私がアメリカ村などを歩いていても、聞こえてくるのは韓国語や中国語。アメリカ村の象徴ともいえる三角公園には、バンドマンなどもいるにはいるが、やはり目立つのは外国人のグループだ。

それは、データ的にもわかる。関西国際空港の出口調査によれば、2023年度、大阪に訪れる人の74%が道頓堀(心斎橋・アメリカ村・難波)、つまりミナミエリアを訪れている。

また、韓国人に至っては、大阪を訪れた人のうち、81%が同エリアを訪れている。

難波エリアも含んでいるので、全員がアメリカ村・心斎橋に行っているわけではないが、それでも相当の人数が心斎橋エリアにいることは確かだ。

また、日本人からしてみれば、近年のアメリカ村は「少し治安が悪い」というイメージもある。大阪の知人に聞いたところ、「外国の人が客引きをしているイメージですね」という返答。

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