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閉店発表「心斎橋OPA」ジリ貧→衰退の本質理由 外国人にも日本人にも響かない施設になったワケ

東洋経済オンライン / 2025年2月1日 8時40分

実際には、防犯カメラの設置や地元自治会の見回りなどが行われ、かつてよりは犯罪件数は減っているようだが、どこか怖い場所、というイメージがあることも事実だろう。

インバウンドのニーズを満たしているか?

こういう事情もあるのか、特にOPA周辺の商業施設の多くは、インバウンド観光客の呼び込みに積極的である。

例えば、OPAの目の前にあるPARCO。2020年にリニューアルした渋谷PARCOと同じように、外国人に人気の日本のIP(キャラクターなどのこと)を取り入れたショップが多く並んでいる。

「ちいかわ」や「ドラゴンボール」など、キャラクターの店が並ぶショッピングモールのようになっている。

訪日客を掴んだ百貨店は盛り返しつつある

また、PARCOと連結している大丸もそうだ。基本的に百貨店は二極化が進んでいて、都心の百貨店はインバウンドをはじめとする富裕層に人気を博し、近年売り上げが伸びている。

大丸心斎橋店はその象徴的存在で、2024年3~8月期の売上高は前年同期比で31%増の568億円。そのうち免税売上高が45%を占めていて、大丸全社の中でも最高額となっている。

心斎橋周辺の訪日観光客の多さと照らし合わせれば納得だろう。

さらに、アメリカ村の象徴的な商業施設でもある「BIG STEP」は、スケートボードパークやピンボール専門店などの尖った専門店の他、ライブハウス、映画館など多様なテナントを揃えている。

また、カプセルトイのコーナーもあるが、OPAのようにとりあえず置いているのではない。看板も付けた専門店として入居しているのだ。

外国人観光客からカプセルトイは人気だから、こうした意味でもテナントの集客力があるだろう。何より建物の外観から「ちょっと他の施設とは違う」感を出していて、足を運んでみたくなる。

いずれにしても、訪日外国人客にとって魅力のある施設作りをいかに行うかが、心斎橋エリアでの人気を獲得する重要な手段の一つになっているのである。

その意味で、目立った海外ブランドがたくさん入っているわけでもなく、IPのショップがあるわけでもなく、どこか中途半端になってしまっているのが心斎橋OPAかもしれない。

変化する街を反映する「心斎橋OPAの閉店」

OPAの誕生は1994年。1998年に分館が誕生している。ファッションビルはアパレルを中心としたテナントが多く入るショッピングセンターで、若い女性をターゲットにしている。ある意味、心斎橋を訪れる感度の高い日本人をターゲットにしていたともいえる。

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