鳥インフルの拡大懸念で「卵不足」の今後の見通し 過去最悪2022ー2023年との違いを獣医師が解説
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 7時20分
年明けから各地の養鶏場で「高病原性鳥インフルエンザ」が流行している。1月としては、計1771万羽のニワトリを処分した2022~2023年のシーズンを上回るペースだ。
【グラフで見る】2022-2023年シーズンと2024-2025年シーズンの日本における高病原性鳥インフルエンザの発生報告数の比較
殺処分に伴い卵の価格も上昇中で、2022〜2023年の「エッグショック」が繰り返されるのではないかと懸念されている。今後の見通しと、世界中に蔓延するこのウイルスの背景を探った。
高病原性鳥インフルエンザとは?
高病原性鳥インフルエンザとは、鳥に感染するインフルエンザウイルスのうち、特にニワトリに対して重症化をもたらす力が強いウイルスのこと。ニワトリに感染すると75%以上が死んでしまう。
ちなみに、「低病原性鳥インフルエンザ」もあり、こちらは感染してもニワトリが死ぬことはない。ただ、養鶏場の中で感染が続いていると高病原性にすぐに切り替わってしまうため、発生した場合は家畜伝染病予防法に基づいて殺処分することになっている。
現在、急増している高病原性鳥インフルエンザはH5N1というタイプで、1月7日までは千葉や愛知をはじめ14道県で21事例が発生し、殺処分対象のニワトリは330万羽だった。だが、1月29日には14道県47事例に増え、869万羽が殺処分の対象となった(農林水産省調べ)。
卵の価格が225円→305円に
殺処分の増加に伴い、卵の価格も上昇中だ。JA全農たまごによると、東京市場のMサイズ1キロ当たりの卸売価格は、1月6日の225円から31日は305円に上がった。
心配されているのが、1キロ当たり350円まで高騰し、「エッグショック」と呼ばれた2022~2023年シーズンの再来だ。
農林水産省の江藤拓大臣は、1月20日の「鳥インフルエンザ防疫対策緊急全国会議」で「緊急事態だ。これ以上の広がりを許すわけにはいかない」と危機感をあらわにした。
今後、感染の広がりはどうなるのだろう。
ウイルス学を専門とする獣医学者の迫田義博・北海道大学大学院教授によると、高病原性鳥インフルエンザが日本で発生し、拡大する要因は、越冬のためにシベリアから飛んできたカモやハクチョウなど渡り鳥(野鳥)のなかにウイルスに感染した鳥がいて、ウイルスを持ってくるから。カモやハクチョウは、ウイルスに感染してもニワトリのように死ぬことはない。
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