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二子玉川の隣なのに「ほぼ無名」元"花街"の実態 橋を渡って東京から遊び人が訪れた「二子新地」

東洋経済オンライン / 2025年2月1日 8時20分

それでも、人気がある街なんだよね。静かだし、交通の便はいいし。都心から近いわりには自然も豊かだしね。ほんと、まさに”住むとちょっといい街”ですよ(笑)」

家賃逆転現象の秘密は楽天?

「二子新地駅入口」の交差点にあるレストラン「IDOBATA(神奈川県川崎市高津区二子2-4-6)」で話を聞くことができた。この地で、オープンから9年目になる地元民愛用の店だ。

二子新地の駅から歩いて2分ほど、IDOBATAはその名の通り、誰もが気さくに利用できる造りの店だ。おしゃれな内装がメディア関係者の目にとまるのか、ドラマの撮影などにもよく使われるらしい。責任者の古井戸啓子さんは街の魅力を次のように語る。

「二子新地自体はおとなしい街なんですけど、お隣(駅で言うと2つ先)の溝の口にも歩いていけるから、便利なんですよ。あちらは田園都市線の急行が止まるから、駅周りもわりとにぎやかで、ちょっとした買い物には便利です。

ただし、住むなら二子新地のほうがいいかも。ここは、急行が停まらないということもあるのか、ニコタマ(二子玉川)とか溝の口に比べて家賃が安いんですよね」

マンションの家賃相場を調べてみると、シングルタイプについては、なるほど前後の駅に比べて二子新地は少しだけお手軽価格だ。

ところが、ファミリータイプの物件になると、溝の口より高いという逆転現象が起こる。理由はさまざまあるのだろうが、古井戸さんの話にひとつのヒントを見つけた。

「お隣が大人気のニコタマ(二子玉川)だから、ここ(二子新地)も以前からわりと人気があったようですけど、10年ほど前に楽天の本社がニコタマに引っ越してきたんです。その時期から、こちら側もファミリー層が急激に増えたんですよ」(古井戸さん)

それまで品川駅近くに本社を構えていた楽天は「事業拡大に伴う従業員の増加を見据えるとともにグループ企業を集約し、より一層の業務の効率化を図るため(楽天資料より)」、2015年に二子玉川駅の近くに移転した。

総従業員1万人を超える大企業移転のインパクトは大きい。そのために、ファミリータイプの物件が、相対的に値上がりしているということもあるのだろう。

古井戸さんが続ける。

「毎年10月に行われる『世田谷区たまがわ花火大会』も、このすぐ近くから打ち上げられるので、すごく盛り上がりますよ。あと、神社のお祭りなども盛んだし、地元の人たちの結びつきもけっこう強い。そういう意味でも住みやすい街ですよね」

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