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妻子を残して単身東京に「仕事留学」10年目の部屋 そろそろ大阪に戻る道も視野に入れつつ惑う40代

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 7時50分

大野さんの妻子は関西在住。東京の企業に就職するために、単身上京した(撮影:梅谷秀司)

2030年には、日本のひとり暮らしの人は総人口の17.0%に達するという。連載「だから、ひとり暮らし」では、急速に増えつつある単身世帯のライフスタイルを取材する。ひとり暮らしの理由は多彩で、個々の事情をたどれば、データからは見えない社会の諸相が浮かび上がるはずだ。

今回取材した大野耕平さんは45歳。大阪に妻子を残し、東京で就職してひとり暮らしをしている。今年で10年目を迎えるその暮らしを、彼は「東京への仕事留学」と表現する。彼のチャレンジを支える空間や、ライフスタイルについて話を聞いた。

なぜ東京に「仕事留学」するのか

東京都江東区、スカイツリーを望むベイエリアに建つデザイナーズマンションに、大野さんは住んでいる。

【写真】大野さんがひとり暮らしをしている部屋の様子、趣味の「こけし」コレクションも

打ちっぱなしのコンクリート壁、ガラス張りのシャワールームなどのモダンな内装に、モノトーンを基調としたインテリア。そこに民芸品や音楽機材など、住人の多趣味を物語るアイテムがディスプレイされている。ワンルームの部屋にはベッドもなく、広々としていた。

本連載では、ひとり暮らしの様子について取材・撮影にご協力いただける方を募集しています(首都圏近郊に限ります。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。

都会的な男性のひとり暮らしの部屋に見えるが、実は大野さんは独身ではない。地元の大阪には、妻と高校生の娘、中学生の息子が暮らしている。

「9年前まで大阪の会社に勤めていましたが、東京の外資系IT企業に転職しました。妻は横浜に本社がある会社の大阪支社で働いていたので、家族で東京へ引っ越すこともできたのですが、妻は“東京には行きたくない”と断固拒否。

外資系企業への転職で先行きが不安だったこともあり、私だけが単身で東京に行くことになりました」(大野耕平さん 以下の発言すべて)

単身赴任ではなく、妻子と離れてでも東京で就職するというのは、大きな決断に違いない。そのモチベーションを、大野さんは「留学」にたとえる。

「就職した企業が単身赴任手当をくれるわけではないので、その分費用がかかります。それでも僕が東京で就職し仕事をしてみたいと思ったのは、東京にそれだけ多くのチャンスがあるからです。大阪で営業の仕事を11年してきて、これ以上の仕事をするには東京で最新の情報に触れ、人脈を増やす必要があると感じました。

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