御上先生問う「ディベート」日本で根付かない背景 日本人は議論が苦手?なかなか浸透しない理由
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 0時0分
でも、多くの日本人は、この部分を分離して考えるのが苦手です。ある意味で、人のことを感情的に見てしまう場合が多いのです。
本来、意見とはどの立ち位置で発言をしているのかによって変わるものです。親としての立場だとAだけれど、先生としての立場だとB、といった違いがあって然るべきです。
しかし日本では、それを許容しない人も多いですよね。ディベートが根付かないのは、むしろ当然かもしれません。
学校でディベートを広めるべきではない?
――日本ではディベートは浸透しづらいわけですね。ということは、学校ではディベートは広めるべきではないということでしょうか?
私は、むしろ逆の見解を持っています。日本人はディベートが苦手だからこそ、日本ではもっとディベートの授業が広まるべきだと思います。
教育はそもそも、自分ができないことをできるようにする営みであるべきです。その点で言うならば、日本人は確かにディベートが苦手で、向いていない人が多いのですが、だからこそディベートをもっとしたほうがいいのではないかと。発言と人格は別でいいということを、小さいうちから学ぶ必要があると思います。
――そのほかに、日本でディベートが浸透していない理由はどんなものが考えられますか?
それはきっと、先生たちの中にある『経験の拘束』のせいなのではないかと、私は考えています。
つまり、先生自身が受けてきた教育の記憶が色濃く、先生がこれまで受けてきた教育の経験の中でしか、授業をすることが難しくなっているのではないか、ということです。
今の日本の多くの先生は、ディベートの授業を受けてきた経験が少ないです。ほぼ皆無と言ってもいいでしょう。
そんな先生たちが『ディベートの授業をしよう』と思い立っても、難しさがあるのではないかと思います。
これはディベートに限った話ではありませんが、教育において『こういう教育がいいよね』と少し話題になっても、文科省が『こういう教育を広めていくべきだ』と発表したとしても、そうした教育を受けた経験がない現場の先生はそれに対応できず、一過性のブームに終わってしまうという現状があります。
経験が悪い意味で連鎖してしまうわけです。そうした意味で、先生たちに求められるのは、『自分が受けた教育を断ち切る教育』かもしれませんね。
教育業界には流行り言葉が多い
――『一過性のブームに終わってしまう』という点について、もう少し詳しく教えてください。
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