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真夏に6時間行列「人気ラーメン店」の意外な解決策 記帳制も試したが「来ない客」が多数発生して…

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 8時20分

行列店には、行列店ならではの悩みがある。今まであまり語られてこなかったが、ビジネスの中で解決しようとする動きも見られ始めている(筆者撮影)

高い人気を誇るラーメン店は、多くの人が並ぶゆえの悩みを抱えています。記帳制を導入するお店や、整理券を配布するケースなど、店主たちはさまざまな試みで解決しようとしていますが、「日の出前から整理券を配布する」など、結果的に疲弊してしまうケースも。

人気連載「ラーメンミュージシャン井手隊長のラーメン見聞録」。今回は、普段あまり語られることのない、行列店ゆえのリアルな悩みをご紹介します。

元フレンチシェフが営む超人気ラーメン店

「銀座 八五」。京都全日空ホテル(現・ANAクラウンプラザホテル京都)の元総料理長・松村康史さんが東京・東銀座で立ち上げたラーメン店だ。

【画像】絶品すぎる!元フレンチシェフの技術が詰まった「八五」の中華そば

松村さんはホテルのフレンチの料理人としての36年のキャリアがあった。そのキャリアにピリオドを打ち、人生最後のステージとして「ラーメン」を選んだ。

2015年3月に水道橋に「中華そば勝本」をオープン。「銀座 八五」は松村さんが立ち上げた3店舗目で、2018年12月オープンのお店だ。

「八五」で松村さんがトライしたのは「タレ」のないラーメンだ。

【画像で見る】絶品すぎる!元フレンチシェフの技術が詰まった「八五」の中華そば

ラーメンというのは、丼にタレを入れ、スープを注いで、麺と具を入れて仕上げるのが基本的な作り方である。

しかし、美味しいスープができれば「タレ」はいらないのではという境地に辿り着いたのである。松村さんはフレンチの技法のすべてを使ったスープ作りにチャレンジし、「八五」の味を完成させた。

厳選した鶏と鴨をメインに、昆布、椎茸、イタヤ貝、ドライトマトなど様々な食材の味を重ね、中華の上湯スープの技法を応用して、生ハムのダシで味を調えている。

ダシ感のみでぐいぐい引っ張るスープの複合的な旨味は、筆舌に尽くしがたいものがある。

なんと「八五」は2018年のオープン時にこのラーメンを850円で提供していた。私はこの味でこの価格なのかと目を丸くした記憶がある。

確実に全国的に評価されることは間違いのない一杯だと思ったし、今まで全く食べたことのないイノベーティブな一杯だった。さらに、立地もお店のしつらえも完璧だったのに、である。

「味はもちろん自信がありました。

ですが、6席しかない店で、多少価格を上げたとしても儲からないことはわかっていましたので、店をオープンして認知してもらえるまではこの価格で辛抱しようと850円でオープンしました。

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