ロシアーウクライナ戦争が起こった歴史的な必然 「東欧を制する者が世界を制する」100年前の格言
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 15時30分
歴史は時として奇妙な相似形を描きます。2022年に始まったロシア−ウクライナ戦争は、世界に大きな衝撃を与えました。そもそも、なぜこの戦争は起きたのか。
実は100年以上も前から、地政学者たちはこのような事態を予見し、警鐘を鳴らしていました。地政学動画で平均150万回再生を記録する社會部部長が、不変の地政学の法則を解説した『あの国の本当の思惑を見抜く地政学』より一部抜粋、再構成してお届けします。
「世界で最も嫌われる学者」の主張
ロシアの地理的脆弱性は、ウクライナとロシアの軋轢にも直結する重要な側面です。2014年、ロシアがウクライナ領クリミア半島を侵攻・占領した際、当然ですが、欧米の首脳たちは口を揃えて「ロシアに一方的な責任がある」と非難しました。しかし、欧米の人々がロシアを責める中で、この見方を真っ向から否定して物議を醸した人物がいました。それが国際政治学者のジョン・ミアシャイマー氏です。
ミアシャイマー氏は、「世界で最も嫌われる学者」と呼ばれることもあります。それもそのはず。ミアシャイマー氏は、「ウクライナ危機の責任のほぼすべてが欧米にある」という、大多数の意見とは正反対の持論を展開したからです。ミアシャイマー氏は2014年の記事の中で、ロシアが戦争を起こした真の動機は、長年の欧米によるロシアを追い詰める外交政策にあったと指摘しました。
「欧米における通説によれば、ウクライナ危機の責任はほとんどがロシアの野心にあるという……しかし、この通説は間違っている。この危機の真犯人は、アメリカとヨーロッパの同盟国だからだ。
この問題の真の根源は、NATOの東方拡大による、ウクライナをロシアの影響力から切り離し、欧米に統合しようとする戦略にある……1990年代半ば以来、ロシアの指導者たちはNATO拡大に断固として反対してきた。
そして近年では、ロシアにとって戦略的に重要な隣国が欧米の砦と化すことを決して容認することはない、と明言してきた……プーチンは、NATO の海軍基地が置かれる恐れのあるクリミア半島を占領した上で、ウクライナが欧米への接近を止めるまで情勢を不安定なままにするつもりだ……プーチンの反発は驚きには値しない。
結局、ロシアの裏庭に進出し、その核心的な戦略的地位を脅かしてきたのは欧米だったのだから。プーチンはこのことを繰り返し強調してきた。それにもかかわらず、欧米の指導者たちが不意を突かれた理由は、彼らが国際政治について誤った見方をしていたからに他ならない。
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