外でも快適に「花粉症に悩む人」の正しい治療戦略 重症化予防だけじゃなく、今は「根治」も可能に
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 13時30分
それでも、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が治まらない重症者もいるだろう。何をもって重症というのかというと、専門医が作成した症状の重症度分類があり、次の2項目のどちらかに当てはまると重症と判定される(鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版)。
① 1日平均で、くしゃみ発作が11~20回(続けて出たら1回とする)、または鼻をかむ回数が11~20回
② 鼻づまりが非常に強く、口呼吸をする時間が1日にかなりある
さらに、次のどちらかがあれば「最重症」というカテゴリーになる。
① 1日平均で、くしゃみ発作が21回以上(続けて出たら1回とする)、または鼻をかむ回数が21回以上
② 鼻が1日中完全につまっている
1回の注射で症状軽減「抗体療法」
そんな重症・最重症のうち、第2世代抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を使っても症状が抑えられない人向けの治療法がある。「抗体薬」という注射薬で、“アレルギー反応の鍵を握るIgEタンパクに結合して、反応が起こらないようにする”というとイメージしやすいだろう。
抗体療法は、スギ花粉シーズンに2~3回行う。
「くしゃみが止まらす、鼻水がだらだら出るような重症・最重症でも、9割以上の人に症状を和らげる効果がある。1回の注射で症状が軽くなる人も多い」と岡野さん。副作用は、注射した箇所の赤みやかゆみなどだ。
画期的な薬であることは確かだが、誰にでも使えるわけではなく、重症・最重症で、血液中のIgEが基準値以上などの要件がある。
費用の面も見過ごせない。国が定める薬代(薬価)は、投与量によって異なるが、代表的なケースで1回約2万2000円(150mg)、または4万円(300mg)。健康保険が使えるため、3割負担の患者でそれぞれ1回約6600円、1万2000円になる。シーズン中に2回注射する場合、1万円以上はかかる計算だ。
「抗体薬を使って効果があったら、むしろ翌シーズンは使わなくてすむように、初期療法で第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬をともに使うなどの対策を立てる」(岡野さん)。それなら、翌年は注射の費用に悩むことはないかもしれない。
ここからは根治治療について紹介したい。
今、紹介した初期療法と抗体薬は、いずれも症状を抑えることを目的とした対症療法の域を出ない。
「花粉症を根本的に治したい人、薬を減らしたいと考えている人、薬の副作用で困っている人に提案している」と、岡野さんが話す治療法がある。「舌下免疫療法」だ。
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