外でも快適に「花粉症に悩む人」の正しい治療戦略 重症化予防だけじゃなく、今は「根治」も可能に
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 13時30分
これは、アレルギーを起こす原因(アレルゲン)を舌の下の粘膜に繰り返し投与することで、徐々に体をアレルゲンに慣らしていき、くしゃみや鼻水といった症状を出にくくする。使用前の重症度にかかわらず、効果が見られる。
使い方はこうだ――。
1日1回、錠剤を舌の下に含む。錠剤は溶けていくので、1分間そのままにしたあと、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える。
使い始めは口の中の腫れ、かゆみ、のどの刺激感といった副作用が表れることがあるが、自然に治まるとされる。
肝心の効果だが、臨床試験では8割程度の人に効果があり、2割くらいの人は、対症療法薬を使わなくても花粉シーズンを過ごせた。舌下免疫療法を3年間続けた人は、やめた後も2年間は効果が続いていた。
使用に当たってはいくつかの注意点がある。
・対象は5歳以上のスギ花粉症(重症の喘息患者を除く)
・少なくとも3年間は続ける
・スギ花粉の飛散期には、新たに始めることはできない
・まれに(1億回に1回)急激なアレルギー反応が表れることがある
・需要が高まり、製品の供給が追い付いていない
岡野さんによると、花粉が飛散している時期に始められないのは、この時期には体が過敏になっていて、舌下免疫療法による重い副作用のおそれがあるからだ。
また、供給の点については、花粉という天然物を原料とするため、品質が担保された製品を作るキャパシティに限りがあるからだという。
舌下免疫療法の薬代(薬価)は、1日分が約150円、3年続けると約16万円となる。健康保険が使えるので、患者負担はその1~3割だ。
「薬局で買う薬」の上手な使い方
ここまでは、医療機関で治療を受ける場合の話。花粉症の薬には薬局やドラッグストアで買える薬「一般用医薬品(OTC)」もあるので、そちらにも触れておこう。
岡野さんは、「軽症から中等症の人なら、OTCで対処するのもよい」と話す。ただ、すでに使い慣れた薬がある人は別として、花粉症患者が製品パッケージやメーカーのブランドサイトの情報から、自分に合った薬かどうかを判断するのは難しい。薬剤師などに相談するのが基本だが、店頭でじっくり相談しにくいケースもあるだろう。
そんな場合、岡野さんが勧めるのは、一度医療機関を受診し、症状に応じた薬を処方してもらうこと。その薬が合っていて、かつ同じ成分のOTCがあれば、自分で購入して使ってもよい、ということだ。
反対に、日頃はOTCですませている人でも、症状を抑えられなかったり、眠気などの副作用がひどくて日常生活に支障が出ていたりしたら、一度は医療機関で診てもらったほうがいいそうだ。
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