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フジ「日枝氏が辞任」でも"CMは戻ってこない"深刻 スポンサーは辞任を求めているわけではない?

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 15時30分

いまや「日枝氏の首をとる」ことが、メディアの最重要課題になっているようにさえ見える。

当のフジテレビ自身が日枝氏に対する批判的な報道を行っている状況を見ると、いまも日枝氏が「独裁者」といえるほどの存在なのか、実務面まで支配しているといえるのか、不明な点もある。

そして、スポンサー側の認識や見解は、メディア報道とは異なっているのではないか。何より「日枝体制が続く限りCM再開はない」というような説明はしていない。筆者が広告業界にいた経験からしても、彼らはそのような言い方はしないし、そうした発想もしないように思う。

1つ例を挙げよう。

多くの日本企業が、強制労働により収穫されている中国・新疆ウイグル自治区産の綿の使用を中止している。人権侵害行為は習近平政権下で行われているが、企業は「習近平は退陣すべきだ」とまでは言わない。

「権力に屈している」という批判もあるかもしれないが、一企業が他国の指導者に退任を求めることは、内政干渉になるし、干渉したところで何も変わらないだろう。

これは極端な例かもしれないが、他社の経営者の去就に対して、取引先が口を差し挟むことは通常はしないし、しても意味がない。

一方で、スポンサー(広告主)企業はフジテレビの日枝体制を容認しているかといえば、そうともいえないのが実際のところだ。

前に挙げた3つのポイントが、日枝体制下で実現できるのであれば、取引先は文句をいえないのだが、もはやその可能性はかなり低くなってしまっている。

それでも日枝氏辞任は不可避

ソフトバンクの孫正義氏、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正氏のように、広く知られた経営者がいるが、そうした人たちと比べると、日枝久という人物はさほど目立たない存在だ。

年配の方は、1980年代にフジテレビの大人気バラエティ番組「オレたちひょうきん族」に日枝氏が登場したことを覚えているかもしれないし、2005年のライブドアのニッポン放送買収騒動の際にホリエモンこと堀江貴文氏に対峙する(オールドメディアの)経営者としてメディアに出てきたのを覚えているかもしれない。

ただ、一般人の日枝氏へのイメージはその程度ではないかと思う。

ビジネスパーソンはもう少し具体的なイメージを持っているかもしれないし、「フジサンケイグループの独裁者」「オールドメディアの老害」といったマイナスイメージを持っている人もいるだろう。だからといって、日々のビジネスに大きな影響を受けない限り、さほど興味もない――というのが実態ではなかったか。

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