フジ「日枝氏が辞任」でも"CMは戻ってこない"深刻 スポンサーは辞任を求めているわけではない?
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 15時30分
10時間以上におよんだフジテレビの「やり直し記者会見」の意義は疑問が持たれているが、いくつか成果はあったというのも紛れもない事実だ。
経営者の辞任・就任と、第三者委員の立ち上げという具体的な動きがあったことに加えて、日枝体制と、その問題を世の中に知らしめたという効果もあった。
フジテレビの「復活への道筋」
3月末に第三者委員会の調査報告が発表され、経営陣が刷新され、社内だけでなく、社外からも経営者が招聘され、若手や女性が取締役に就任する。社内組織も改革され、通報窓口の稼働など、ハラスメント行為を防止する体制が整い、望まない会食への参加も求められなくなり――といった好ましい動きが確認されること。
さらに、それが世の中に広く知らしめられて、視聴者もスポンサー企業も「フジテレビは根本的に変わった」と見なされれば、CM再開の動きは本格化するだろう。
しかしながら、現在に至っては、日枝氏が取締役相談役に留任したままで、それが可能であるとは、ほとんどのステークホルダーが思っていない。
日枝氏が人事権を握っている以上、社外の人材を積極的に登用していく動きになるとは考えにくい。たとえ、改革が実現したとしても、「日枝氏が辞任しないと許さない」という論調になっているメディアが、それを好意的に報道してくれるとは限らない。
日枝体制が維持されてしまうと、視聴者やスポンサー企業の合意形成も難しくなってしまうのが実態だ。
現段階でダルトンがフジメディアHDにあのような書簡を送付した背景には、上記のような認識があるように思える。
辞任はゴールではない
清水賢治新社長は、ダルトンの書簡に関する報道を受けて、日枝氏を含めた各役員の進退を、3月末の第三者委員会の調査報告を待って検討することを表明している。
「メディアの圧力に屈して辞任する」というのは、日枝氏にとっては屈辱的なことかもしれないが、日枝氏の辞任は、時間の問題であると思う。3月末を待たず、早々に辞任をしたほうが、フジテレビのみでなく、日枝氏自身にとっても好ましいことなのではないか。
日枝氏の辞任がゴールなのではなく、そこがフジテレビの改革の出発点となるのだ。
もう少し早く辞任していたら、日枝氏は「フジサンケイグループを繁栄に導いた功労者」として勇退することができていただろう。ただ、このまま辞任を固辞し続ければ、「晩節を汚した経営者」というイメージが積み上がっていくだけではないだろうか。
西山 守: マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
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