「終活は60歳からがいい」と禅僧が勧める深い理由 「お金の相続」より大切な「心の相続」
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 8時30分
あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。
新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。
大切な人を「見送る」ときに考えること
曹洞宗を開いた道元禅師が、こんな言葉を残しています。
【写真でわかる】不安を「大きくしない」人が実践している簡単なコツ
「たき木、はひとなる、さらにかへりてたき木となるべきにあらず。しかあるを、灰はのち、薪はさきと見取すべからず。しるべし、薪は薪の法位に住して、さきありのちあり。前後ありといへども、前後際斷せり。灰は灰の法位にありて、のちありさきあり」(「正法眼蔵』の「現成公案」)
ここに「前後際断(ぜんごさいだん)」という言葉があります。
私たちは、薪と灰を見ればつい、薪が前の姿であり、灰は後の姿であるというふうに、薪と灰をひと続きのものとして捉えるのがならいです。
「それではいけない」とするのが道元禅師です。薪は薪として、灰は灰として完結しており、薪と灰は連続していない。つまり前後は断ち切れているのだと道元禅師は説きます。
同じことが、生と死の関係においても言えます。
死は生の後の姿ではなく、死は生の後の姿でもない。生の延長線上に死があるのではなく、生と死は断ち切れています。
道元禅師ならば、こう言うかもしれません。
生きているうちは、「生き切る」ほかない。生きているうちに死を思っても意味がないのだから。そして、生き切った末に死が訪れたら、それを受け入れるしかない。そこで生が完結するのだから。
私たちは皆、いずれ死を迎える運命にあります。
しかし死を思い煩ってはいけない。今この瞬間を生き切ること、それだけを考えていればいいのです。
仕事でも、勉強でも、趣味でもいい、今この瞬間にするべきことを全うすることです。裏を返せば、それ以外の、自分の采配ではどうにもならないことをどうにかしようとするから、迷ったり不安になるのです。
思い通りにならないことは、仏様にお任せする他ありません。
良寛さんは、大地震にあった知人への見舞い状に、こんな言葉を記しました。
「災難に遭う時節には災難に遭うがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるる妙法にて候」
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