「終活は60歳からがいい」と禅僧が勧める深い理由 「お金の相続」より大切な「心の相続」
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 8時30分
死ぬときがきたら、ただ死んでいけばよい。何も思い煩うことはないのです。
他人の死から自分の生を見つめ直す
問題は、何をもって「よく生きる」とするのか、です。
その答えはもちろん百者百様ですが、少なくとも、自分にとっての「よく生きる」を考える機会を持たなくては、答えを出せません。
身近な人の「死」は、そんな機会のひとつです。
長く生きれば生きるだけ、愛する家族や友人たちの「死」に触れる機会が増えていきます。大切な人の死はしばしば、残された人々の人生を大きく変えてしまいます。
深い悲しみを背負うから、のみではありません。大切な人を見送るという体験を通じて、自分の生を見つめ直すからです。
人は、頭では「いつ死ぬかどうかわからない」ことを理解しています。
しかし同時に、「明日も今日と同じ日が続く」ものと楽観してはいないでしょうか。ところが身近な人の死は、私たちに「今日と同じ明日がこないかもしれない」という事実をつきつけるのです。
それはまるで、故人からの「あなたはこれから、どうやって生きていく?」という問いかけのようです。
私が申し上げたいのは、残された人々にはやるべきことがある、ということです。
例えば、故人の思い出を語り合うこともそうです。仏教では、人の死には2種類あると考えられています。
1つは肉体の死。もうひとつは、遺族や近親者、友人の心から故人が消えるときの死です。
これは、「たとえ肉体が滅びようと、人々の心に残る限り、生き続ける」ということを意味します。ですから、故人の思い出を語り合うことは、故人を2度めの死から救うことでもあるはず。
残された人々もまた、こうした語らいを通じて「大切な人が亡くなった」という事実を受け止め、悲しみに区切りをつけることができます。
そして、故人の人生を思い、自身のこれからの人生を思うことも、残された人間の務め。
「あなたはこれから、どうやって生きていく?」
故人が遺した問いかけに、あなたならどう答えるでしょうか。
「死に支度」は元気なうちに
人生を「生き切る」とは、言い換えれば「思い残し」をなくすことでもあります。
そのための準備のひとつが、「死に支度」です。最近は「終活」という言葉がポピュラーかもしれませんが、言わんとしているのは同じです。
死に支度というと、死を目前にした人がするものというイメージがあるかもしれません。
しかし私に言わせれば、死に仕度は元気なうちに始めるのがいい。目安としては、50歳から人生の終わりを見据えつつ、60歳から具体的に死に支度に動き始めるぐらいが、ちょうどいいでしょう。
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