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黒門市場「インバウンド肉串」へのモヤモヤの正体 金のない日本人の「静かな排除」が拡大している

東洋経済オンライン / 2025年2月9日 8時45分

とはいえ、ニセコ報道の影響もあって、「豊洲 千客万来」を一躍有名にしたのは、この「インバウン丼」という言葉だったし、東急歌舞伎町タワーの評判を見ても、「外国人しか相手にしていない」なんて言葉が並んでいる。

また、黒門市場の評判も散々だ。施設の実態を離れて、「ニセコ」的な受け止め方がされているわけだ。

思惑とは裏腹にこうした評判が立ってしまったのは、かつてより、外国人観光客向けの「囲い込み」が露骨に感じられるようになってきたからだろう。

施設側は認めたくないかもしれないが、「選択と集中」、そしてそれによる「静かな排除」を、日本人がうっすらと感じていることの表れなのである。

「渋谷」もニセコ化している

国内観光地が、多かれ少なかれ「ニセコ化」していることを見てきた。こうした変貌を街レベルで遂げつつあるのが渋谷である。スクランブル交差点の風景はあまりにも有名で、訪日観光客からも絶大な人気を誇る街である。

ちなみに、2023年度、渋谷はインバウンド観光客の訪問率が1位となった。なんと外国人観光客全体の67.1%が渋谷を訪れているというのだから驚きだ。

このように外国人観光客から絶大な人気を誇っている渋谷だが、この街もまさに「ニセコ化」しつつある。

これまで渋谷は「若者の街」というイメージで語られてきた。センター街(現・バスケットボールストリート)を中心として若者向けの店が立ち並び、少しガヤガヤとした街並みが広がっていた。

2021年にメトロアドエージェンシーが行った東京に関するイメージ調査では、「渋谷」について、回答者の「78%」が「若者向けの」という回答をしたことがわかっている。

再開発で変化する渋谷、「泊まる街」に?

しかしそんな渋谷では現在、100年に一度ともいわれる大規模な再開発が進行中だ。

再開発の中心にいるのは東急グループで、渋谷駅周辺に「スクランブルスクエア」や「ヒカリエ」「フクラス」など、多くの新しい商業ビルを建てている。渋谷を訪れたことがある人ならばわかるかもしれないが、この街はいつも工事をしていて、いつ来ても街並みが変化している。

そんな渋谷はどう変わろうとしているのか。日経クロステックが編集した『東京大改造』は、2030年に東京がどのように変わるのかを取材しており、ここでも渋谷は大きく取り上げられている。この本を紹介した日経クロステックのサイトではこのように説明されている。

高級ホテルが少ない東京・渋谷に変化の兆しが見えている。2024年以降、渋谷を地盤とする東急グループと新たに進出するライバル企業のホテル対決が渋谷駅周辺で本格化する。

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