リストラから奮起「プロレス美術館」作る60歳人生 自宅の一室をプロレス愛と熱狂が詰まった空間に
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 8時10分
湯沢少年はその後、衝撃を忘れられず、実際に試合会場で見たいと思い立ち、お小遣いを握りしめてプロレス観戦に通うように。
当時、小中学生は 立ち見で500円、そこに往復の交通費とパンフレット代200円を合わせると、出費は1000円を超えてしまう。小学生にとっては大金である。それでも湯沢少年は、観戦だけでなくポスターやチケット、グッズも欲しいと思うようになる。
そこで独自に編み出したポスターの収集方法は、精いっぱいの知恵と工夫が凝らされている。
当時、会場周辺の電柱には、大会のポスターが貼られていたが、試合が終わってもそのまま回収されず野放しの状態になっていたため、ポスターを集めるプロレスファンは多かった。湯沢少年は、試合前に欲しいポスターの場所を確認しておき、試合終了後にダッシュで取りに行っていた。
ただ、うまく剝がさないと破れてしまう。雨でポスターが濡れた日は問題なく取れることに気づくと、以降は霧吹きを持参して試合前に吹きかけておくという方法を編み出した。
また、自分のチケットを取っておくだけでなく、落ちているチケットも回収して収集。その日の試合内容に納得がいかない時、客が帰り道でチケットを捨てることが多々あったため、いつも下を向きながら歩き、チケットを探しながら試合会場を後にしていた。
こうしてコツコツと集めたグッズは宝物として大切に保管され、現在はプロレス美術館に展示されている。
瀬戸際からの逆転劇が美しいアントニオ猪木
湯沢さんがプロレスに熱狂していた頃、テレビも最も盛り上がっていた時代だった
土曜日の夜8時には、TBSではドリフターズが『8時だョ!全員集合』、フジテレビでは萩本欽一が司会の『欽ちゃんのドンとやってみよう!』が放送され、“土8戦争”と言われる視聴率争いが繰り広げられていた時代。特に、『8時だョ!全員集合』は最高視聴率50.5%を記録し、お茶の間の人たちをテレビに釘付けにした。
その裏側で、日本テレビでは全日本プロレス中継が流れていた。湯沢さんは欽ちゃんでもドリフでもなく、プロレスを見続けた。ワクワク感が抑えられず中継が始まる15分前にはテレビの前に座り、画面から流れる熱い戦いに胸が熱くなる日々を送っていた。
「そのときの僕は、アントニオ猪木の強さとか技の美しさに惹かれていました。大柄な外国人選手と戦って、負ける寸前までくるんですけど、そこから大どんでん返しで勝つというのがあるわね。そのスリルがたまらないんですわ」
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