出版不況に「超豪華な無料雑誌」京都で爆誕のワケ 紙にこだわる大垣書店が勝算見込んだ本屋の未来
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 14時30分
京都の書店・大垣書店が出版事業にも積極的だ。もともと書籍の出版も行っていたが、2024年に批評誌『羅(うすもの)』(1万部配布)の創刊に続き、タウン誌『KYOTOZINE』(公称3万部)も創刊した。
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『羅』はフリーマガジンだが、表紙に薄紙のカバーがかかった贅沢な作りで、これが無料? と手にとった人は一様に驚く。
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出版不況の中、なぜ紙の雑誌を創刊?
出版不況と言われ、紙の雑誌が続々休刊している。2025年1月24日、新文化オンラインでは「24年の出版市場規模、1兆5716億円に 3年連続マイナス」という記事を出している。同媒体の別記事では、「2023年の休刊誌64点」とのことである。
そんな逆風の中、挑戦的な批評誌創刊に続き、タウン誌『KYOTOZINE』を創刊するという、大垣書店の攻めた姿勢に驚いた。
『KYOTOZINE』もまた、背表紙のあるしっかりした作りで、資金面でも手間面でも負担は大きいだろう。なぜ、いま2冊も雑誌を出版しようと思いきったのか、編集長の大垣守可さんに聞いた。
大垣さんは2024年に大垣書店の取締役に就任した30代。やる気に満ちている。
「京都の風景ともいえるタウン誌『Leaf』が休刊になった(2024年2・3月号をもって不定期刊行に切り替え、主な情報発信をサイトに移行した)ことに大きなショックを受けていました。
うちの書店でも、同誌は雑誌の売り上げではつねに1位だったので、非常に痛手でした。
そんな中で、元『Leaf』の関係者とやはり京都にはそうした雑誌が必要ではないか、新たな雑誌を作れないだろうかという話になったのがきっかけでした。書店として『Leaf』のような雑誌が日常生活にあるという環境を残したい、みたいな動機です」
『Leaf』に関わったスタッフも交え、『KYOTOZINE』制作がはじまり、27年培った『Leaf』のノウハウと、京都で生まれ、京都の住人たちに馴染み深い大垣書店(1942年に京都で開業、京都府内では24店舗)のネットワークが合わさって、新たな雑誌が誕生した。
「京都の生活スタイルが一通り入っているものにしたいと考えました。京都生活のバイブルになったらいいなと。背表紙をつけたのは、今後、20号、30号と続けていったときに、『京都生活全集』のような存在となるように、本棚にずらりと並ぶことを目指したからです」
タウン誌というと、情報の鮮度が命で、シーズンごとに新たな情報が入ったものに足早に入れ替わっていくイメージがある。『KYOTOZINE』は長期的な視点のもと、本棚にずっと残しておきたくなるようなアーカイブ性の高い内容を意識した。
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