出版不況に「超豪華な無料雑誌」京都で爆誕のワケ 紙にこだわる大垣書店が勝算見込んだ本屋の未来
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 14時30分
「賞味期限のないものーー本屋が作る雑誌はそうあるべきではないか、それが本屋の仕事だと僕らは考えています。トレンド系の雑誌だと、いまやウェブには速度や情報量では勝てない。それに対抗できるのは、わざわざ紙で買う意味のある、家に長く置いてもらえる、雑誌というより本に近いものであると」
「ド直球な雑誌タイトル」をつけた理由
タイトルが『KYOTOZINE』というド直球なものであることも注目だ。
「京都の人間がわざわざ『京都』と名付けた商品を作ることって、あまりないことだと思うんですよ(笑)。タイトルを決めるにあたり、『BUBU』も候補にあがりました」
ブブ漬けの「BUBU」とはずいぶん洒落が効いている。
「聞いたことはあるけれど、意味はよくわかっていないという言葉をタイトルにしたら面白いんじゃないかと思ったのと、響きは京都っぽいということで、遊び心のある名前をつける方向性も検討しました。
結果的に京都のMAGAZINE――『KYOTOZINE』という名前に落ち着いたのは、テレビ局だったらKBS京都、新聞だったら京都新聞、ラジオだったらアルファステーションFM京都と、京都のメディアを代表するものには『京都』がついている。大垣書店から出す雑誌も京都と名付けることで、京都に暮らす人たちの生活の一部になるようなもの、半ばインフラを作ろうという気持ちなんです」
京都の雑誌の決定版にしたいという思いと、京都の出版界を活性化する下支えをしようという思いが合わさっている。書店が出版をすることによって「いろいろな出版社さんとコラボできること」をメリットとして大垣さんは挙げた。
『KYOTOZINE』創刊号をめくると、美麗で大きな写真を使った、京都の街や人や食や職を紹介する中で、関西の食雑誌として全幅の信頼ある『あまから手帖』の編集長が登場していたりもする。情報誌として競合になりそうなところと手をつなごうという意識を感じる。
「『編集者目線の京都』という連載で他誌の編集者さんにもご登場いただこうと思っています。すでにさまざまな出版社さんからも紙面でコラボレーションしたいというお話をいただいています」
この構想の大元は、漫画雑誌だった。
「少年ジャンプと少年マガジンがコラボした『少年ジャンマガ学園』という共闘企画があって(2019年)、それを見てとてもいいなと思ったんです。これまでにない、出版社の境界を超えられるメディアになればと思っています」
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