あれから1年「能登半島地震」で見えた"洗濯問題" 衣類の汚れや臭いは「被災者の精神的な負担」に
東洋経済オンライン / 2025年2月12日 16時0分
なぜなら、支援に入ったのは発災からすでに3週間ほど経った1月21日。その間、汚れたままの服を着続けることを許容できる人はいないでしょう。ほとんどの人はできる限り着続けて、汚れたら捨てるという対応をしていました。
災害が起こると、被災地に水や食料など、さまざまな物資が送られます。衣類もそうです。下着や肌着を中心に、新品の衣類が大量に送られてきますが、それらは使い捨て前提で、消費されていく対応になっていました。
被災地には、多くの古着が、送られてきているのも目にしました。
これらの古着は着られず、そのままになっている場面を見ることも少なくありませんでした。1つは薄汚れているように感じること。もう1つは自分の年齢や好みに合わないこと。これらが原因です。
災害時の衣生活は大きく制限されます。その負担を軽減するためには、平時からの衣生活を見直しておくことが重要だと考えます。
衣生活の負担を減らすには何が必要か?
具体的に見直すべき点は、以下の3つです。
●洗濯にかかるコストを正しく認識する
普段から洗濯が適当だと汚れが十分に落ちず、衣類が早く劣化し、本来ならもっと長く着られるものを短期間で捨ててしまうことになります。
一方で、正しい洗濯を実践していれば、「しっかり洗えば汚れは落ちる」「大切な衣類を長く使える」という経験が積み重なり、災害時にも限られた衣類を清潔に保ちやすくなります。
この習慣があれば、「洗えばまた着られる」という意識が働き、不必要に服を捨てることが減ります。
今回の地震では、避難所に家庭用洗濯機が設置されたり、ランドリーカーが導入されたりしました。しかし、家庭用洗濯機は節水仕様が進みすぎており、汚れが十分に落ちにくい状況です。また、コインランドリーの洗浄時間も短すぎる設定になっており、十分に洗えていません。こうした設定は、平時から見直すべき課題です。
また、「洗濯だから」といって飲用に適さない水(山の水や雪解け水、残り湯など)を使用すればよい、という意識も改める必要があります。これらは、衣類の嫌なニオイ、黄ばみ、黒ずみの原因となります。
多くの人が求める「嫌なニオイがしない」「元の色が変わらない」といった品質を確保するためには、水の品質や使用量、洗濯機の設定を適切にすることが必要です。
「1回の洗濯にかかる水の量やすすぎの回数が多いとコストが高い」と考える人もいますが、長期的に見れば、そのコストは決して無駄ではありません。
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