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大谷選手の“ド軍史上最高速”ヒットより速い!? 飛行機を駆け抜ける「トイレで流したブツ」 なぜそんなに速いのか

乗りものニュース / 2024年4月2日 7時42分

エアバスA380旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

ドジャース球団史上「最も速い打球スピードのヒット」を放った大谷選手。その打球速度は186.4km/hと報じられています。しかし旅客機には日常的にそれを上回るスピードで機内を駈けるブツがあります。

大谷選手のヒットを超えるスピードの「ブツ」?

 メジャーリーグ・ドジャースに所属する大谷翔平選手が現地時間2024年3月31日のカージナルス戦で、打球速度「186.4km/h」を記録するヒットを打ちました。これはドジャースの球団史上、もっとも速い打球スピードのヒットであったと報じられ、話題となっています。

 実は旅客機の機内では、日常的にそれを上回る130マイル(約210km/h)ものスピードで配管を駆け巡る物体があります。それが、客室のトイレで乗客が用を足したあとの「ブツ」です。

 旅客機の多くでは、機体後部などに流されたものを貯めるタンク(ウエーストタンク)があり、旅客が洗浄ボタンを押すと、専用の配管を通ってタンクへ貯められたのち、目的地到着後などの地上で、専用車により回収される方式のものが一般的です。先ほどの130マイルのスピードは、エアバスの総2階建て超大型旅客機「A380」で記録されています。

 この「ブツ」の高速移動には、気圧の差が利用されています。洗浄ボタンを押すと「シュゴッ」という大きな音ともに、タンク内に備わる専用装置の一部の弁が開き、飛行機は小さな穴が開いたような状態になり、配管内の気圧が下がります。気圧を一気に下げると非常に強い空気の流れが生じるので、高い気圧の客室内にあるトイレの排泄物などは、この気圧差で一気に吸い出され、タンクに収まり、空気のみ機外に放たれます。

なぜそこまで高速疾走させる必要があるのか

 ここまで高速で疾走させる力で吸い込むのには理由があります。

 A380の場合、全長は73mですが、巨大な客室を持つにも関わらず最前方にも最後方にも化粧室があります。それゆえ、相当な長さになる配管のなかをつまらせずに通して、タンクへ収める必要があります。200km/h超えのスピードを出せるような強い吸引力を用いるのは、そうした長い配管を途中で詰まることなくタンクに“ブツ”を納める工夫といえるでしょう。

「バキューム式」と呼ばれるこのタイプのトイレは現代の旅客機では、ほぼ標準装備となっています。このトイレは大きな音が出てしまう反面、流す力も安定し、吸引力の強いぶん使う水が少量で済むために機体の軽量化につながるほか、臭気まで吸い取ってくれる換気効果もあり、旅客の快適性向上にもつながっています。

【映像】早ッッ!! これが210km/hで疾走する“旅客機のモノ”の様子です

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