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柿澤勇人&吉田鋼太郎が挑む「ハムレット」 「ずっと心に残る、一生の財産になる作品」に【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年4月7日 8時0分

吉田鋼太郎(左)と柿澤勇人(ヘアメーク:松田蓉子/スタイリスト:五十嵐堂寿)(C)エンタメOVO

 故・蜷川幸雄から「彩の国シェイクスピア・シリーズ」のバトンを引き継ぎ、観客を魅了してきた吉田鋼太郎が、新たなシリーズを始動。記念すべき一作目に吉田が選んだのは、「ハムレット」だ。吉田と、主人公のハムレットを演じる柿澤勇人にシェークスピア作品への思いや公演への意気込みを聞いた。

-「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の2ndシーズンをスタートすることへの思いを聞かせてください。

吉田 元々は蜷川幸雄さんがシェークスピア37本全作上演を目標にスタートしたシリーズですが、結局、蜷川さんは5本を残して亡くなられてしまいました。その残りを上演するときにお声をかけていただいて、とにかく蜷川さんの遺志を受け継ごうと。蜷川さんとは本当に長いお付き合いをさせていただいたので、蜷川さんの演出方法や役者に対する接し方、そして蜷川さんの魂は分かっていたつもりだったので、それを引き継いで、最後までしっかり走り抜こうと思ってスタートしたのですが、今回はシリーズの第2弾で新シリーズになります。要するにまた1からスタートとなります。改めて考えると今の方が重圧を感じています。蜷川さんが、彩の国さいたま芸術劇場をお客さまを集めることのできる劇場に育て上げてきました。それが途中で失速してしまったらどうしようという気持ちが強いです。とにかく心を込めて良いものを作らなければいけないなと責任重大な思いと強い決意があります。

-2ndシリーズ1作目に「ハムレット」を選んだ理由は? もちろん「ハムレット」は最高傑作ともいわれる作品だと思いますが。

吉田 僕も最高傑作だと思います。僕はこれまでにもさまざまな役で「ハムレット」に出演しているので、どういう作品なのか知っているつもりでもいます。どういう戯曲なのかをずっと考え続けてもいます。それくらい自分の中では大事な作品で、よく分かっているつもりの作品なので、あまり迷いなく、ブレることなく皆さんと一緒に作っていけるのではないかと思い、1作目を「ハムレット」とさせていただきました。しかも、人気戯曲ですので、皆さんの注目もおそらく集まるのではないかなと。そういう思いがありました。

-吉田さんが柿澤さんにハムレットを演じてもらいたいとお声をかけたと聞いています。柿澤さんはハムレット役に決まり、どんな思いがありましたか。

柿澤 おそらく僕の役者人生の中で1番、せりふが多い作品になると思います(笑)。ハムレットは、僕の年代の役者にとっては1番の目標でもあり、夢なので、鋼太郎さんから直々にお声をかけていただけて「やれるんじゃないの?」と言ってもらったときはとてもうれしかったですし、「ついていきます! やります!!」という感じでした。ただ、いざ台本を目の前にしたらやっぱり震えますね(笑)。毎日毎日、台本と向き合っていますが、これは大変だなと。今は、ハムレットができるという喜びよりも、とにかく一生懸命やるしかないという思いでいっぱいです。

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