食中毒予防に効果抜群 梅干しの“制菌力”とは?
ウェザーニュース / 2019年5月12日 10時0分
昔から、「梅干を食べると食あたりになりにくい」「弁当に梅干を入れると傷みにくい」と言われています。これは単なる言い伝えではなく、梅干には「制菌作用」があるということが科学的にも証明されているのです。
詳しいお話を、和歌山県立大学准教授で医学博士の宇都宮洋才先生に伺いました。
梅干の入ったご飯は腐敗しにくい
病院で行われる手術は長いもので10時間を超えますが、そうした長い手術を担当する先生方は、お昼ご飯が夕方や夜中になることも珍しくありません。ある時、長い間置きっぱなしのお昼ご飯に梅干が入っていると食べられるが、入っていないとご飯がネバネバして食べられない、という声を宇都宮先生が聞いたそうです。
「この現象は、梅干にはご飯の腐敗を防ぐ『制菌作用』があることを意味します。そこで試験管での実験で、わかりやすく証明しようと思ったのです」(宇都宮先生)
実験で証明された梅干の制菌作用
代表的な食中毒菌である「黄色ブドウ球菌(MRSA)」と「病原性大腸菌(O-157)」を入れた試験管を2本ずつ用意して、実験を行いました。
「それぞれ片方に梅干を入れて人間の体温と同じ37℃で一晩温めました。その結果、梅干の入っていない左の試験管は『黄色ブドウ球菌』、『病原性大腸菌』が大量に増殖して濁っていますが、梅干が入っている右の試験管は濁りが非常に少ないですね。梅干には食中毒の原因菌の増殖を防ぐ機能『制菌作用』があることが一目瞭然です」(宇都宮先生)
胃の働きが弱っている時には梅干を
「健康な人の胃は殺菌作用がある胃液を分泌しているため、食中毒は起こりにくいのです。しかし、体調を崩して胃酸の働きが弱まっている時は食中毒になりやすくなります。そんな時は梅干を食べて、クエン酸の強い殺菌力で発症を予防しましょう」(宇都宮先生)
これから夏にかけて、食中毒が起こりやすくなります。梅干を積極的に食べたり、お弁当に入れるなど、「制菌作用」を活用して食中毒を予防しましょう。
参考資料など
取材協力/紀州梅効能研究会(http://www.umekounou.com)、和歌山県立大学宇都宮洋才准教授
この記事に関連するニュース
-
今日からできる「むし歯にならない」4つの食べ方 緑茶や海産物に含まれている「フッ素」に注目
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 14時0分
-
感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明らかに【最新研究】
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月18日 9時20分
-
業界初、実使用空間において次亜塩素酸を用いた浮遊菌・付着菌の除菌効果を検証
PR TIMES / 2025年1月16日 15時45分
-
食べ過ぎかも? 胃もたれの原因と長引くときの解消方法
マイナビニュース / 2025年1月16日 10時0分
-
【冬におすすめ】「ショウガ」で体が温まるのはなぜ? 管理栄養士に聞く摂取のメリット&注意点
オトナンサー / 2025年1月4日 9時10分
ランキング
-
1リレー捜査決め手に=厳戒態勢、早朝の逮捕―県警が会見・長野駅前殺傷
時事通信 / 2025年1月26日 15時10分
-
2西日本は明日から気温低下 立春以降は全国的に真冬の寒さか
ウェザーニュース / 2025年1月26日 18時0分
-
3高齢になるほど車が欠かせない シニアの車選び「高性能、カッコよさ」より重視される条件
J-CASTニュース / 2025年1月26日 16時0分
-
4住宅放火の疑いで16歳男子高校生を逮捕 父親とともに翌日出頭 住人の女子中学生が2階から飛び降り負傷 大阪府警
ABCニュース / 2025年1月26日 16時23分
-
51歳5カ月の息子を太ももに挟み重体 傷害容疑で父を逮捕 横浜
毎日新聞 / 2025年1月26日 22時1分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください