成長ホルモンが活発になる時間帯は? 乾燥する秋に知っておきたい美肌のための睡眠術
ウェザーニュース / 2023年10月17日 5時10分
秋は、空気が乾燥してくる季節です。暖房器具を使うようになると、ますます室内が乾燥してきます。
乾燥する時期に美肌を保つためには、質の良い睡眠が欠かせません。『ココロとカラダを整えるオトナ女子の休み方』の著者で睡眠コンサルタントの友野なお先生に、美肌を保つ睡眠のポイントを伺いました。
秋の夜長に注意しなければならないこと
秋になると寝苦しい暑さがなくなり、夜が長くなってぐっすり眠れそうな気がしますが、朝に疲れが残っていることがあります。秋に快眠できないのは、どのような理由があるのでしょうか。
「人の睡眠時間は季節によって左右され、秋は本来、睡眠時間が長くなる傾向にあります。朝、すっきり目覚められない人は、快眠を妨げる悪習が身に付いていないかチェックしてみてください。
快眠を妨げているのは、秋の過食、お酒、カフェイン、過度のスポーツや運動、寝室の環境などがあります。また、就寝前のスマートフォンが睡眠の質を落としていることも少なくありません」(友野先生)
スマホが睡眠の質を落とすのは、どうしてなのでしょうか。
「就寝前にスマホを操作すると、画面から発するブルーライトが脳を覚醒させます。ブルーライトを浴びた脳は“昼だ”と勘違いして、眠りを誘うホルモンのメラトニンの分泌をストップしてしまうのです。
ブルーライトはPCやテレビ画面、蛍光灯やLED照明にも多く含まれています。秋の夜長にゲームや映画で夜更かしをするのも、快眠を妨げる悪習といえるでしょう」(友野先生)
肌と睡眠との密接な関係
睡眠の質が悪くなると、肌にも影響が出ると言われていますが、健康的な肌と睡眠との間には、どのような関係があるのでしょうか。
「肌のくすみやトラブルに悩む人には、良質な睡眠がとれていない人が少なくありません。睡眠不足だけでなく、寝つきの悪さ、眠りの浅さ、朝の目覚めの悪さなどが、肌の美しさや弾力を失わせているかもしれません。
しっかり寝ないと、肌のターンオーバー(細胞が一定の周期で生まれ変わる仕組み)を促す“成長ホルモン”が分泌できないからです」(友野先生)
美容のためには午後10時~午前2時の間に寝ていないといけないという話を聞いたことがありますが、寝る時間が関係しているのでしょうか。
「それは都市伝説なので、必ず夜10時に寝る必要はありません。それよりも眠りはじめの時間帯でしっかり熟睡できるかが大切です。肌のダメージを修復し新陳代謝を促す成長ホルモンは、約70%が睡眠中、しかも6~7時間の睡眠時間のなかでも、特に最初の3時間がもっとも分泌が活発な時間帯になります。
つまり、眠りはじめの3時間にぐっすり眠れるようにすると、 日中受けたダメージを修復して健やかで美しい肌づくりに貢献してくれるのです」(友野先生)
適切な睡眠時間と、そのために必要なこと
成長ホルモンの分泌に合わせた睡眠をとれば、健康的な肌がキープできるのですね。一晩にどのくらい寝ればいいのでしょうか。
「アメリカの国立睡眠財団は、『働き盛りの世代は7~9時間が理想』としています。とりあえず7時間を目安に睡眠時間を確保してください」(友野先生)
仕事や家事などで忙しく、なかなか睡眠時間が確保できないという人も少なくなさそうです。7時間の睡眠を確保するには、何から始めればいいのでしょうか。
「まずは、午前0時までに眠るための『やらないことリスト』を作りましょう。『22時以降はテレビを見ない』『家に帰ったらSNSをやらない』などです。
スマホを手放すのは難しいので、最初は『ベッドに持ち込まない』から始めましょう。その後 『寝る1時間前まで』『お風呂に入るまで』と徐々に見ない時間を延ばしていくと、睡眠の質を上げることができます」(友野先生)
秋の美肌対策は乾燥を防ぐだけでなく、睡眠の質を上げることから始めましょう。
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