週刊地震情報 2023.11.5 1日(水)に紀伊水道で地震 南海トラフ地震とは異なるメカニズム
ウェザーニュース / 2023年11月5日 10時20分
この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると少ない水準です。
関東の陸域で地震がやや目立ち、西日本は沿岸部で散発的に地震が起きました。震度3以上の地震は1回発生しています。(10月30日~11月5日10時の集計)
国内:紀伊水道でM4.9の地震
紀伊水道の地震
11月1日(水)7時34分頃、紀伊水道を震源とするマグニチュード4.9、深さ46kmと推定される地震が発生しました。この地震では和歌山県田辺市、白浜町、湯浅町、徳島県阿南市、那賀町、美波町などで最大震度3を観測しています。
紀伊水道を震源とする最大震度3以上の地震は去年12月以来で、地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。今回の地震は2021年に最大震度5弱の揺れを観測した地震と震源が近いものの、深さやメカニズムは異なっていました。
紀伊水道は南海トラフ巨大地震の震源域です。紀伊水道周辺のプレート境界は深さ20〜30km辺りと考えられていて、今回の震源はそれよりも少し深い所でした。メカニズムもプレート境界型に特徴的な逆断層型ではなく、横ずれ型ということで、沈み込むプレート内部で起きた地震とみられます。
世界:ネパールのM5.7の地震で被害発生
世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震は南米チリ沿岸部で起きたマグニチュード6.6です。
このほか、日本時間の4日(土)未明、ネパールの西部を震源とするマグニチュード5.7、深さ約17kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
震央近くでは改正メルカリ震度階級でVIIの揺れになったとみられます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5弱程度に相当する強い揺れです。
揺れが強かった地域では建物の被害や地滑りが発生したとみられ、100人以上の死者が出ていると伝えられています。
ネパールはインドプレートがユーラシアプレートに衝突している境界に位置し、しばしば規模の大きな地震が発生しています。最近ではネパール中部で2015年にマグニチュード7.8の地震が起きました。震源が首都カトマンズに近かったこともあり甚大な被害に見舞われ、9000人を超える方が亡くなっています。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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