エルニーニョ現象 最盛期は過ぎ急速に解消へ向かう(エルニーニョ監視速報)
ウェザーニュース / 2024年3月11日 14時40分
気象庁は11日(月)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ現象は最盛期を過ぎつつあり、今後は急速に解消へ向かうとみられます。春の間には終息して、平常の状態になる見通しです。
監視海域の海面水温は基準値との差が縮小
2月の南米沖・エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.8℃で前月に比べると差が小さくなりました。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の12月の値は+2.2℃で、9か月連続してエルニーニョ現象発生の目安となる+0.5℃以上です。
海洋表層の水温は太平洋赤道域の東部を中心に平年より高くなりました。また、太平洋赤道域の日付変更線付近から東部の対流活動は平年より活発で、中部大気下層の東風(貿易風)も平年よりも弱くなっています。
大気はエルニーニョ現象時の特徴が現れている一方で、海洋は依然としてエルニーニョ現象の特徴が弱まりつつあり、最盛期は過ぎつつあると考えられます。
4〜5月に平常の状態に戻る可能性が高い
実況では太平洋赤道域に海洋表層の冷水がみられています。エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると今後は冷水の東進が続いて、エルニーニョ監視海域の海面水温が次第に下降して、春の間に基準値に近づく見込みです。
その後、太平洋赤道域西部〜中部で貿易風が強まるとともに、中部〜東部の冷水がさらに強まり、夏の間は海面水温が基準値近くか、それより低い値で推移するとみられます。
4月にはエルニーニョ現象が継続するよりも平常の状態に戻る確率が上回り、6月にはエルニーニョ現象となる確率が10%まで低下して終息に向かう予想です。7月はラニーニャ現象の発生する可能性がやや高まります。
エルニーニョが解消しても海面水温は高い状況が続く
エルニーニョ現象は世界的な高温傾向の一つの大きな要因になっています。ただ、それ以外の海域も海面水温の高い状況です。エルニーニョ現象が解消しても、この傾向はしばらく続くとみられます。
WMO・世界気象機関は少なくとも3〜5月にかけては地球規模で記録的な高温が続く可能性が高いとしています。また、日本も3〜5月の気温は西日本から東北で平年並みか平年より高くなる見通しで、夏の気温は全国的に平年より高い猛暑の予想です。
今後の天候に大きな影響を与える海の変化が引き続き注目されます。
参考資料など
気象庁より
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