完全アウェイの浦和戦で今季初白星狙う東京Vの城福浩監督、「我々らしくプレーを変えずに入りからやりたい」
超ワールドサッカー / 2024年3月2日 20時5分
東京ヴェルディの城福浩監督が、初白星を目指す明治安田Jリーグ第2節の浦和レッズ戦(3日)に向けて展望を語った。
16年ぶりJ1に復帰した東京Vは、1993年のJリーグ開幕カードの再現となった、横浜F・マリノスとの国立競技場での開幕戦を1-2で落とした。
昨シーズンのJ1を2位フィニッシュし、ACLベスト8進出を果たした相手に試合内容では手応えを手にしたものの、後半終盤の連続失点によって勝ち点1も手にできず。久々のトップカテゴリーでの難しさを味わう結果となった。
同試合後の会見で「内容が悪くなかったという一つの言葉でまとめたくない」、「我々に足りなかったものがあると、そこをしっかり突き詰める1週間にしたい」と語っていた指揮官は、1日にクラブハウスで行われた会見で、改めて前節を振り返ると共に今回の浦和戦に向けたアプローチについて語った。
「毎試合、我々はそうですが、目指しているものに対して、何がやれて何がやれなかったのか。これはもう結果に関わらず、常にやってきているので、それでも選手は手応えを掴んだ部分もありますし、勝ち点0で終わった。そこはフォワードからディフェンスまで全員がキーパー含めて共有できています」
「(失点場面の振り返りを)映像で確認しました。誰も見たくないし、どこからスタートしてるかというところを含めて、ディテールのところは確認しました。あの試合では実際のところはほとんど崩されていない。したがって、なぜああいうシーンに至ったのかいうことと、最後のクローズのところのプレー判断など、そこはJ1で勝ち点3を取るというのが、こういうことだとみんなで良い学びができたかなと思います」
また、以前からチームの課題であり、横浜FM戦の後半でも守勢が続く要因となった自分たちでボールを保持する、ボールを奪った後の繋ぎの判断・精度についても個々の改善を求める。
「我々は相手陣でサッカーをやるという部分で常に言っているのは、ピンチキックのようにボールを蹴っていたら、プレッシャー全部いけるはずがないし、相手陣でサッカーをやるには相手陣にプレッシャーをかけて奪うということと、もう一つは相手陣でボールを繋ぐということ」
「この2つの時間が長くないと難しくなると。ただ、相手陣で繋ぐという部分は、それが目的になってしまうと、おそらくショートカウンターがなくなってしまうし、相手にとって怖さがない。ショートカウンターができないときには、いかに相手陣でサッカーするというところの、この2つを目指しています」
「ただ、ボールを奪ってからの繋ぎのところは、我々にとって一つの課題だと思います。例えば試合の入りであれば、大枠でどういうプレーをしようとか、試合の終盤にどういう守備をしようという部分はみんなで大枠は掴んでいるつもりですけど、サッカーでは同じ場面は2度とないので、そこはコントロールできた、クリアしなくて良かったというような場面は、ざっくりと言えば1人1回ぐらいあったと思います。それを個々が改善できれば、チームとしては10回クリアではなくてパスにできたということになります」
「それだけでゲームの要素は全然違います。そこは全部を繋げと言っているわけではなく、自分のあのプレーというのはひょっとしたらヘディングをパスにできたんじゃないか、クリアをコントロールできたんじゃないか。これはもうレベルを上げていくしかないので、その状況判断とか、技術の自信とか、声でプレッシャーがかかってるかどうか助けてあげると、そういうところで、我々がボールを持つ時間というのは、もっとみんなで手助けできるチームになりたいと思います」
その一方で、Jリーグ開幕戦において1位と2位を記録した走行距離・スプリント回数という部分に関しては、ビッグネーム不在の今季J1最年少スカッドとして特長にすべく部分をひとつ見せられたと手応えを感じている。そして、そのアグレッシブさとチャレンジの回数の増加が課題の得点力不足を改善することにも繋がると考えている。
「JリーグのJ1の中で走行距離が一番だったというのは、ある意味、J1の出場実績の日数が、群を抜いて低いチームが、それが一番でなければどうするんだという思いがあります。ただ、自分たちの決定的なシーンを見ると、これは決まったと思って横で見ている」
「そうではなくて、決定的なシーンを超決定的にするのは、あと1人、あと2人走らなきゃいけない。それができれば、我々がこの前に125kmぐらいだったと思いますが、チームトータルで128kmになって、その増えた数字が決定的なチャンスでもう1人、2人が絡む。そういう状況を作っていけば、おそらく超決定機がもっと増えるので、我々はそこに対しては足りなかったと思っているし、もちろん良い守備からスタートして良い攻撃ができた。この感覚を大事にしながら、何が足りなかったかと言えば、この選手が正確性がなかったのではなく、最後のシュートに対するサポートがあと1人、2人。あと5メートル、10メートル足りないと、ここを突き詰めていきたい」
5万人以上の来場が見込まれる埼玉スタジアム2002での完全アウェイの戦いに向けては、昨季天皇杯でのFC東京との東京ダービーを引き合いに出しつつ、J1経験が少ない選手たちに普段通りの力を出させることに腐心しているという。
「当たり前ですけど、選手は約5万人入ると聞いてますけど、完全アウェイというのは、ほとんど経験したことはない。試合前のメンバー表にはJ1の通算出場試合数が載っていますが、ヴェルディの選手は驚くほどその数字が低いです。相手チームの1人の出場試合数よりも、我々全員を足しても少ないような状況。したがって、当たり前ですが、それは初めての経験になる。選手にもちょっと『こういう空気になるぞ』とは言いました」
「それこそ半年前の天皇杯の東京ダービーのときに、選手はそれを知らないので、『こういうお客さんの反応がある』、『こういう空気になるんだ』と言っても選手はボーっとしていました。ただ実際に、その通りの雰囲気で選手はびっくりしていました。そういった部分でちょっと心の準備をしてくれたんじゃないかと思います」
「それをエネルギーに変えられる選手もいれば、圧力と感じる選手もいると思いますが、それも含めてJリーグのホームアンドアウェイなので、自分たちはそれをしっかりとエネルギーに変えられるように、プレーに集中できるように、挑ませたいです。アウェイにもヴェルディのサポーターが来てくださると思うので、彼らの声をしっかり背負って、とにかく我々らしくプレーを変えずに、ゲームの入りからしっかりやりたい、やらせたいなと思います」
サンフレッチェ広島との開幕戦を0-2で落とした浦和に関しては、広島のアグレッシブな前線からの守備に対してビルドアップの局面での苦戦が印象的だった。城福監督はシステムや選手の特徴の違いに言及しながらも、アグレッシブさやリスクの冒し方という部分では同様に相手に自由を与えない戦いを見せたいと語っている。
「広島は3バックなので、非常に対人能力が高い3バックが1人について、そうなると必然的にマンマークになります。あの状況で、それがすごく嵌ったゲームだったと思います。ただ、我々がどういうシステムでやるかは分かりませんが、全くあれと同じようにはならない」
「ただ、広島が見せたようなアグレッシブさというのは、形は違えど我々も目指すもので、アグレッシブさを見せたときに負うリスクというのもあるので、そこはしっかり共有して試合に臨みたい。リスクを共有することがおそらく、僕らの対戦相手対策になります」
「我々のサッカーを変えるのではなくて、我々のことをやり切ったときに何のリスクが発生するかということ。もう一つは、後半にやはりリードされているので、浦和さんは交代カードを切ってきて、交代カードもやはり非常に特徴的な選手、実績豊富な選手がいるので、そこでリズムが変わったというふうに思いますので、それが頭から来るのか、あの開幕戦を踏まえて、どのような試合の入りをするのか、そこは我々も多少想定しておかなければいけないですし、試合の入り含めて広島戦と同じような展開になるかというと、そうではないというふうに考えています」
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