<Wコラム>康熙奉(カン・ヒボン)の「日韓古代史が面白い」仏教伝来(中編)
Wow!Korea / 2016年6月25日 22時41分
危機感を持った蘇我馬子は、592年11月に崇峻天皇の命を奪った。空いた皇位に上がったのが推古天皇である。
この即位にともなって推古天皇の甥にあたる聖徳太子(厩戸皇子)が抜擢されて、摂政を担うことになった。
この聖徳太子と推古天皇は蘇我氏の血を受け継いでおり、最高執政官となる大臣は蘇我馬子だった。
■渡来人の活躍
政権の首脳はみな蘇我氏の系統となり、この一族は栄華を誇った。
蘇我氏は百済からの渡来人たちによって支えられていた。百済が日本に仏教を伝えたときも、その恩恵を一番受けたのが蘇我氏だった。
仏教が広がるということは、仏像を作る技術や寺を作る技術などがともなってくる。当時の日本からすれば、それはまだ経験したことのない大変な事業であった。同時に利権も関わってくるのだが、それを利用しようと考えたのが蘇我氏だった。
蘇我氏が物部氏を駆逐したあと、馬子、蝦夷(えみし)、入鹿(いるか)と代が引き継がれ、蘇我氏の統治は続いた。
彼らの基盤を支えたのが、大陸からやってきた渡来人の存在だった。
政治制度の確立から土木技術の活用まで、渡来人は土地と住民を統治する技術をもっていた。
特に、文字に関わる作業は渡来人が特殊な力を発揮した分野であった。渡来人は非常に数が多く、彼らの存在が国づくりに大いに役立った。
また、百済との外交関係に積極的だったことから、蘇我氏そのものが百済の出身ではないかという説もある。
文=康熙奉(カン・ヒボン)
出典/『宿命の日韓二千年史』(著者/康熙奉〔カン・ヒボン〕発行/勉誠出版)
(ロコレ提供)
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